2006年10月号(190号)   

 お彼岸もすぎて、急に秋らしいお天気になってきました。

 あと2か月もすると北風が吹くようになります。それまでの間、体もいっぱい使って楽しく過ごしていてください。


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 今月の話題
  ● お子さんは疲れすぎていませんか?
  ●【子どもの救急(22)】鼻のトラブル
  ●【院内迅速検査(7)】血液生化学(2)
  ●インフルエンザ予防接種について
  ●【HP院長ブログより】うれしい投稿
  ●お知らせ
  ●感染症情報

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■お子さんは疲れすぎていませんか?

 2学期が始まって1か月ほどたちました。子どもたちは元気に、そして楽しく園や学校に通ってくれているでしょうか。

 子どもたちにとって、集団生活はストレスを伴うもの。お友達との関係も、先生方との間でもたえず緊張しています。いろんな課題や生活リズムも、家庭とは違うというだけでも、そうとうなストレスになっています。

 私たちの社会にはストレスはつきものですし、そのすべてが悪いわけではありません。むしろ、適度なストレスは必要ともいえます。自分が何かをしたいという希望や思いと、それがうまくできない現実の間に「矛盾」があり、それを解決しようとすることが発達や発展につながるからです。

 小さな赤ちゃんがオモチャをつかみたいと思って一生懸命体を動かしているうちにハイハイが上手にできてくるのと同じです。

 しかし、ストレスがあまりに大きくて、押しつぶされてしまわないように注意していて下さい。お子さんの様子を良く見ていてほしいです。お子さんは園や学校ではずいぶん頑張っています。その分、家庭ではゆっくりさせてあげたいですね。

 「家族団らん」そんな言葉を思い出しました。秋の夜長をご家族で楽しくお過ごし下さい。


■【子どもの救急(22)】鼻のトラブル

 子どもたちの鼻に関するトラブルもさまざまですが、緊急性があるものは少ないようです。

 症状でもっとも多いのは鼻水や鼻づまりでしょう。その大半は通常の風邪によるものです。アレルギー性鼻炎による場合は、大人ではくしゃみと水っぱなが多いのですが、子どもは鼻づまりが強くなります。

 鼻づまりはそのままにしておいて大丈夫なのですが、赤ちゃんはミルクが飲みにくい、夜眠ってくれないといったトラブルになることもあります。残念ながら点鼻液は使えませんし、部屋の湿度を高めたりしてもすぐには良くならず、対応に苦慮しています。(「麻黄湯」という漢方薬が効果的で、使うこともあります。)

 鼻水が透明でさらさらしている場合には、アレルギーによるものか、ウイルス性のことが多いです。黄色い色がつき、汚い感じがしてくると細菌性のことがあり、抗生物質が必要かもしれません。小児科または耳鼻科を受診して下さい。

 鼻血もよく見かけます。子どもは鼻をいじることが多く、出血させやすいようです。鼻血の大半は、鼻中隔の前の方が出てきます。小鼻をつまむようにしてもらうと、圧迫止血させることができるでしょう。数分間、しっかりとつまんでみて下さい。

 圧迫によってかさぶたができ、止血されますが、破れた血管がすぐに元に戻っているわけではありません。そのため、何度も繰り返し鼻血を出してしまうことがあります。(血液の病気では、かさぶたができないので、圧迫しても止血できません。)それでも多量の鼻血が続くようなときには、出血の場所が鼻の奥深いところかもしれません。耳鼻科専門医の診療が必要です。

 子どもは鼻の中に物を入れてしまうことがあります(鼻の異物)。見えていても、親御さんがとるのは難しいでしょう。専用のピンセットなども必要ですので、小児科か耳鼻科を受診して下さい。(夜であれば翌日まで待っていて大丈夫です。)


■【院内迅速検査(7)】血液生化学(2)

 血液はその中に多くの物を溶かし込んでいて、体の中を必要な場所に運搬しています。多くの物質は一定の範囲になるよう調整されています。

 グルコース(ブドウ糖)は体の中でエネルギーとして使われる大切な糖分。少ないのは低血糖で、程度が強いと脳障害などがおきることもあります。高いのは高血糖で、糖尿病なども心配です。

 尿素窒素は腎臓でできた老廃物で、尿として体外に排出されます。血液中に多すぎるときには、腎臓の障害を考えます。

 総ビリルビンは肝臓でできて、腸管に排出されますが、これが高いのは肝障害かもしれません。

 総蛋白は低いと低栄養や、腎臓の障害で乳中に多量に排出されている状態(ネフローゼ)が心配です。

 ○検査値の参考基準値
 ・グルコース 77〜118 mg/dl
 ・尿素窒素 8〜20 mg/dl
 ・総ビリルビン 0.3〜1.0 mg/dl
 ・総蛋白 6.5〜8.0 g/dl


■インフルエンザ予防接種について

 インフルエンザが流行するのは、通常は1〜3月ですので、その前に予防接種を受けておくといいです。つまり、年内には済ませておいて下さい。

 原則は2回の接種ですが、13歳以上は1回でも良いことになっています(65歳以上の高齢者には1回分が公費補助されます)。13歳以上の方は、すでにインフルエンザそのものにかかっていて、ある程度の免疫があると考えられ、1回接種すれば十分という考え方です。しかし、より確実にするには2回接種が良いので、呼吸器や心臓などに持病をもっていたり、受験生でどうしてもインフルエンザにかかりたくない場合には2回の接種を受けておいて下さい。

 ワクチンには「A香港型、Aソ連型、B型」の3種類が混合されています。ウイルスは少しずつ形を変えてくるので、同じ型でも違うタイプのワクチンが必要になっています。毎年、流行しそうなウイルスに効果があるワクチンの種類が決められ、生産されます。

 2006年度用のワクチンには、次のものが含まれています。
 ・Aソ連型(H1N1):A/ニューカレドニア/20/99株
 ・A香港型(H3N2):A/広島/52/2005株 [変更]
 ・B 型:B/マレーシア/2506/2004株 [変更]

 ぜひ年内に接種を受けて、インフルエンザの罹患や蔓延を予防するようにして下さい。


■【HP院長ブログより】うれしい投稿

 先日ゲストブックに次のような投稿をいただきました。

(みほさんより)
「先日、初めて受診に伺った者です。先生の優しく丁寧なお話に、涙が出そうになりました。「わたぼうし病児保育室」は、なんとなく聞いたことはありましたが、設立の背景や現状、先生の思いやスタッフの方々の応対の仕方など、知れば知るほど、その素晴らしさに感動しました。その上、「世界の子どもにワクチンを」という募金活動までされているなんて。私にも何かできることはないかな、と考えさせられました。診療だけでもお忙しそうなのに、どうやってこんなに沢山のお仕事をなさるのか想像もつきません。先生のいらっしゃる町に住んでて良かった!」

 嬉しいお便りです。当院の対応はまだ完全でありませんし、まだまだ課題が多いと思っています。でも、こんなふうに見て下さる方がおられたことに、勇気づけられました。本当にありがとうございます。

 とくに最後の「この町に住んでて良かった」なんて、涙が出てきそうです。きっとご期待も大きいものがあるのだと思います。そのご期待に沿えるよう、これからも職員とともに小児医療を担っていこうと思っています。

 「みほ」さんへは、今後とも温かく見守っていただきますようにお願いのメールを出し、私からの感謝の言葉にさせていただきました

  《HP「院長ブログ」より》


■お知らせ

《インフルエンザ予防接種の予約》

 今年もインフルエンザ予防接種を10月20日より行います。インフルエンザを予防するために多くの方に受けていただきますようお願いします。

 予約は専用電話でお受けしております(0120-447709)。接種をご希望の方は。早めにどうぞご予約下さい。


■感染症情報

 先月(9月)もおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)の流行が続いていました。夏休みを過ぎてやや下火に向かっていましたが、2学期に入ってまた勢いをぶり返しています。もうしばらくは注意が必要です。まだかかっていない方は、ぜひワクチン接種を受けておいて下さい(任意接種)。ほぼ確実に予防できます。

 9月に入ってから手足口病が流行していましたが、しだいに少なくなってきています。もともと夏場に多い感染症ですし、症状は軽くすむのが大半ですので、さほど心配することはないでしょう。

 ウイルス性胃腸炎、りんご病(伝染性紅斑)、水ぼうそう(水痘)などは少しずつ発生していました。

 マイコプラズマ感染症はまだ時々見かけます。気管支炎や肺炎といった呼吸器感染症をおこし、強い咳が長びきます。

 麻疹、風疹の患者発生はありませんでした。

 冬場になるとインフルエンザが必ず流行します。その予防のためにぜひワクチン接種を受けておかれるようお勧めしています。当院では今月20日より接種を行います。

 感染症ではありませんが、秋口は喘息発作を起こしているお子さんを多く見かけます。とくに低気圧がせまってくると発作をおこしやすくなります。喘息と診断されているお子さんは、手元に発作止めの薬をおいておくなど、注意をしていて下さい。

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