2006年11月号(191号)   

 このところ一雨ごとに秋が深まってきていることを実感しています。

 もうそろそろ冬の準備をする季節になりましたね。

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 今月の話題
  ●災害の備えを万全に
  ●【子どもの救急(22)】口やのどのトラブル
  ●【院内迅速検査(8)】溶連菌検査
  ●保育士 in 待合室
  ●【HP院長ブログより】明橋大二先生 in 「笑っていいとも!」
  ●お知らせ
  ●感染症情報

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■災害の備えを万全に

 中越地震から二年がたちました。ニュースなどを見て、あらためて地震の被害などを思い起こしているところです。

 当地は震源地からわずか数十キロのところにありますが、被害がほとんどなかったことは幸運だったとしか言いようがありません。
 当院は小さな個人医院ではありますが、災害時の対応もある程度は果たしたいと考えています。当院は院内処方なので、ある程度の医薬品を常備しています。停電時でも診療を続けられるように自家発電機も設置ずみ。

 災害時に水道が止まり、水洗トイレが使えなくなることも大きな問題でしたが、地下水をくみ上げる装置を作り、水洗トイレを使い続けられるようにしてあります。ほかにも飲料水、非常食なども必要量を備蓄。また、いざというときに地域の方々に「とりあえずの避難所」として利用していただけるようにしています。

 震災の記憶はしだいに風化してしまうかもしれませんが、危機管理の対応はたえず見直しながら、しっかりとしたものを作り続けていきたいと思っています。

 2年前の中越地震では67人の命が奪われました。地震をなくすことはできませんが、災害時の犠牲者をゼロに近づける努力をすることが、亡くなった方への供養であり、責任なのだと考え、取り組んでいます。



■【子どもの救急(22)】 口やのどのトラブル

 口は食事や水分の入り口。そこでのトラブルで多いのは歯や歯茎のトラブルでしょう。その中でも虫歯によるものは少なくありません。虫歯の程度が強く歯が溶けていたり、歯茎まで侵されてくると、いつ痛み出してもおかしくありません。歯の根まで虫歯になり、その周りの骨に炎症が及ぶと顎骨が腫れ、とても痛くなります。歯科で入院治療が必要になることもあります。虫歯は予防が肝心。小さい時からの歯磨きや、甘い物をとりすぎないことなどに気をつけていて下さい。

 いろんな原因による口内炎もよく見かけます。風邪や下痢をして体調を壊すと口の中が荒れてきますが、口の中を清潔にしておいて下さい。

 粘膜面がえぐれて潰瘍(かいよう)のような口内炎(アフタ性口内炎)ができるととてもしみるものです。酸っぱい物などはとれなくなりますので、注意を。ステロイド外用薬が効果的です。

 ヘルペス性口内炎というウイルスの感染症では、高熱と強い口内痛があります。子どもでは歯茎が腫れる歯肉炎も特徴的。内服薬で良く効く薬がありますが、水分摂取などに気をつけてください。

 赤ちゃんでは口の中にミルクかすのような白いものが付くことがあります。カンジダというカビによる感染症です(鵞口瘡=カンジダ性口内炎)。口の粘膜の抵抗力が弱いためにできます。程度が強くなるとしみるようになりますので、早めに見つけて受診をして下さい。

 のどは風邪や扁桃炎の時に痛くなるものです。その程度がとても強く、食事が通らないほどになっていると溶連菌感染症も心配です(下欄参照)。伝染性疾患ですので、登園や登校は停止。早急に抗生物質による治療が必要です。

 冬場は風邪やインフルエンザなどが流行する季節。それらのウイルスや細菌の侵入口になるのは鼻やのどの粘膜です。こまめにうがいや手洗いをし、予防するように注意をしていて下さい。



■【院内迅速検査(8)】溶連菌検査

 A群β溶血性連鎖球菌(略して「溶連菌」と呼んでいます)による咽頭炎は、子どもたちの間でとくに冬場に多くみられる感染症です。主な症状は発熱、のどの痛み(食べ物を飲み込めないほど強い!)、皮膚の発疹など。ときに合併症としてリウマチ熱(心臓の弁膜を壊すことがある)や、急性腎炎(たんぱく尿、尿量減少、浮腫、高血圧など)をおこすこともあり、的確な診断が必要です。

 抗生物質による治療を早く始める必要があります(合併症予防のために10〜14日間)。

 溶連菌感染症ではのどをのぞき込むと粘膜が真っ赤になっていて、夕焼けのように見えることが多く、経験をつんだ小児科医はその場で見当がつきます。
確実な診断は細菌培養の検査ですが、数日かかるので実用的ではありませんでした。この溶連菌迅速検査は、のどの粘膜を綿棒でとらせていただき、その場ですぐに結果を知ることができます。かなり正確でもあり、小児科外来ではとても役立っている検査です。


■保育士 in 待合室

 医院の待合室の様子が変わったことに気づかれた方もおられると思います。先日から、保育士が子どもたちに絵本の読み聞かせをしています。

 当院はわたぼうし病児保育室を併設しているので、数名の保育士が勤務しています。彼女たちの主な仕事は、お預かりした病児の保育ですが、それ以外にも保育士としての専門性を活かせる仕事をしてもらうことになりました。

 わたぼうし病児保育室はとても多くの子どもたちをお預かりしています(日本でも有数の規模です)が、いつも同じくらいの混みようではありません。時間的に余裕のある時には、医院の待合室で子どもたちの相手をしています。

 今は主に読み聞かせをしています。子どもたちの食い入るような顔が印象的です。やはり子どもたちは絵本が大好きなんですね。

 お母さん方から育児についての質問をいただき、お答えしたりすることもあります。短い時間ですが、子育ての不安が少しでも解消してくれることを願っています。

 こういった取り組みを続ける中で、子どもたちが保育士を待っていてくれるようになり、保育士としてもやりがいを感じています。

 一日中ずっといるわけではないのですが、もし待合室で保育士を見かけたら、どうぞよろしく。きっと、お子さんが読み聞かせに夢中になっている様子をご覧になることができると思います。



■【HP院長ブログより】明橋大二先生 in 「笑っていいとも!」

 お昼のテレビ番組「笑っていいとも!」に、明橋大二先生が出演されています。昨年の「上越子育てフォーラム」に講師としてお呼びした先生ですが、今や超売れっ子になりました。先生の子育てについても本は、新聞の下に大きな広告がうたれていますし、本屋さんには平積みで大きな扱いになっています。韓国でもその翻訳本が出版され、大人気なのだとか。

 先生は富山県の病院に勤務されています。ここ新潟県のお隣で、同じ北陸地方です。昨年のフォーラムには、先生がご自身で自動車を運転されて上越に来られました。

 先生のお話は、とても分かりやすく、なるほどな!と思わせるものが多くあります。お話の内容に加えて、先生の甘いマスクと語り口調も、ママたちに大人気になって当然といった感じです。マスコミも注目していたのでしょう。

 そんな明橋大二先生が出演されたコーナーを、昨日拝見しました。短い時間でしたが、先生のお人柄が良く伝わってきました。企画の全体はお笑いでオブラートされていますが、内容はちゃんとした子育てへのアドバイスになっています。(昨日は、「泣いている赤ちゃんに対して、どんな顔をしてあやすか」でした。)

 こんなノリで、子育ての悩みに答えてもらえるなんて、嬉しいですね。育児の不安や悩みをどうしても一人でかかえこんでしまうことの多いお母さんがたに対して、「そんなに辛い顔をしていなくてもいいんだよ」「いつでも相談にのってあげるから話してごらん」・・そんなメッセージを伝えているような気がします。

 昨日の番組では、このコーナーの前がダラダラと長びいていて、時間が押せ押せになってしまったようです。来週からは、もっとたっぷりと先生のお話をお聞きしたいですね。

 いや先生のお顔をもっと良く見せてほしいです。それだけでお母さん方の癒しになるでしょうから。


  《HP10月4日「院長ブログ」より》



■お知らせ

☆【インフルエンザ予防接種】現在、インフルエンザ予防接種を行っています。インフルエンザを予防するために多くの方に受けていただきますようお願いします。予約は専用電話でお受けしております(0120-447709)。接種をご希望の方は。早めにどうぞご予約下さい。

☆HPの<ヘルス・レター>に呼吸器感染症について3つの新しいタイトルを作成しました。参考にしていただければ幸いです。

☆【予告】12月7日(木)午後は院長が出張のため休診にさせていただきます(午前は通常通りです)。宜しくお願いします。


■感染症情報


 先月(10月)はおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)の流行がやや下火になってきています。おたふくは一度かかると終生免疫ができ、二度かかることのない感染症ですので、地域の中でかかってしまった子の方が多くなってきたからでしょう。まだかかっていない子は、ぜひワクチンを受けておいて下さい(任意接種)。

 手足口病などの夏かぜはぐんと少なくなりました。代わって冬場に流行しがちな感染症が増えてきています。溶連菌感染症はその一つで、のどがとても痛くなり、熱や発疹を伴います。早く見つけて抗生物質を使う必要があります。

 ウイルス性胃腸炎も少しずつ発生していました。これから次第に増えていくことでしょう。嘔吐が強い時には脱水が心配です。グッタリしているようなら早めに受診してください。水ぼうそう(水痘)も一部の保育園などで発生しています。これから地域全体に流行していく可能性もあります。麻疹、風疹の患者発生はありませんでした。

 先月よりインフルエンザ予防接種を行っています。インフルエンザは毎年1〜3月に必ず流行する感染症です。ワクチン接種だけで完璧に予防できるわけではありませんが、それでもある程度は予防効果があります。インフルエンザにかかると重症になりやすい幼児や高齢者はぜひ年内にワクチン接種を受けるようにして下さい。

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