2007年1月号(193号)   


新年あけましておめでとうございます。

2007年という新しい年が始まりました。
皆さんにとって、良い年になることを願っています。

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今月の話題
  ●子育てを見守る温かい環境を
  ●【子どもの救急(24)】インフルエンザに注意!
  ●【院内迅速検査(10)】インフルエンザの検査
  ●JCVフォーラムに参加してきました
  ●お知らせ
  ●感染症情報
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■子育てを見守る温かい環境を

昨年は、いろいろな意味で子どもたちのことが注目されました。

日本は世界でもまれにみる「少子高齢化社会」。
日本の人口は減少に転じてしまいましたし、このまま続くと極端に若い世代の少ない社会になっていきます。

出生率が低下し続けている原因の一つには、「子育て」に多くの困難が伴うことがあります。
そして、その苦労の大半を母親が背負っている現状を、しっかりと見る必要があります。

子どもは夫婦の間にできるものです。
しかし、同時に地域や社会の中に存在し、それらとの関わりの中で育っていきます。

子育ては社会全体が暖かく見守り、手を携えながら行われていくものです。
家庭における子育てを支援するというのは、至極当たり前のことです。

「少子化」だから子育て支援が必要だというのは、間違っていると思います。
子どもの数には関係なく、もともと必要なことなのです。

今年はどんな年になるでしょうか。
少しずつでも、子どもたちに明るい未来を約束できるようになるといいなと思っています。


■【子どもの救急(24)】 インフルエンザ

寒い季節になるとインフルエンザの発生には警戒が必要です。

インフルエンザは「風邪の王様」と呼ばれるとおり、とても怖い感染症です。
発熱は急激に始まり、寒気やだるさが強く、筋肉痛や関節痛も伴います。

また、伝染力がとても強く、集団の中に一人でも患者が発生すると、たちまち大きな流行になってしまいます。
潜伏期間はとても短く、数時間か半日ということもあります。
予防のためにはうがいと手洗いが大切です。

インフルエンザにはA香港型、Aソ連型、B型の3つがあり、これらが毎年必ず流行をおこしてきます。

インフルエンザの診療は、近年とても進歩しました。
その場ですぐ判定できる検査キットが作られました(下欄参照)。
そして、ウイルスの増殖を押さえ込む「特効薬」もできました(内服のタミフルや、吸入のリレンザ)。
発症からできるだけ早く使うことがコツです。

インフルエンザは幼弱な乳幼児や高齢者にとって時に命にかかわる重篤な感染症です。
かからせないような工夫とともに、早く診療を受ける必要があります。

インフルエンザは地域や集団の中で流行する感染症です。
園・学校などでの流行状況についての情報にたえず注意をし、流行が始まったときには十分に警戒して下さい。
そして、インフルエンザらしい突然の発熱があれば、早めに受診し、よく診てもらうようにして下さい。

インフルエンザの診療は「危機管理」そのものです。
普段からの備え(予防策)をしっかりと。
そして、必ず流行があり、その中で子どもたちや親御さんご自身、家族の方たちがかかってしまうことがあるに違いないと考えて、対処して下さい。


■【院内迅速検査(10)】インフルエンザ検査

インフルエンザ・ウイルスは、その場で検査をすることができます。
最近確立した方法で、これによってインフルエンザについての診療が、より確実に、より速く行えるようになりました。

正しくは「インフルエンザ抗原迅速検査」といって、インフルエンザウイルスの一部を検出するものです。
鼻や喉の奥から粘膜を綿棒でとらせていただき、それを使って検査します。

各社から検査キットが発売されていますが、いずれも10〜20分ほどで結果がでます。
A型とB型に分かれて結果がでるものが大半ですが、A香港型とAソ連型の区別はできません。

また、インフルエンザの発症から間近でウイルスの量がまだ少なかったり、綿棒にあまりウイルスが付着していないと、
インフルエンザなのにそうではないという結果になることがあります。

そのために、最終的にインフルエンザかどうかの診断は、この検査も参考にしながら、総合的に行う必要があります。


■JCVフォーラムに参加してきました

「世界の子供にワクチンを日本委員会(JCV)」が主催するフォーラムが、先月7日、東京で行われ、私(院長)も参加してきました。
この委員会は1994年に作られ、これまでミャンマーの子どもたちにポリオワクチンを届けることを中心に、しっかりとした活動を続けてきています。
当院も1995年から継続して活動に協力してきたことは、先月の「こども通信」でもお知らせした通りです。

今回のフォーラムでは、ワクチンや予防接種とは何か、それが子どもたちの命を守るためにどうして必要なのかを良く理解してもらうことも、一つの目的。
「子どもワクチン対談」はそのために設けられたコーナーで、私が小児科医として参加してきました。
委員会の代表である細川佳代子さん、委員会のスペシャル・サポーターをされている歌手の早見優さん、そして私の3人
で、1時間ほどワクチンについての対談をしました。

早見さんは2人のお子さんがおられるので、予防接種は身近なこととして感じておられるようです。
またボランティア活動についても、とても前向きで熱心に取り組んでおられました。

こんな有名な方々との対談の機会を与えていただき、とても嬉しく思いました。
これからの委員会の活動がますます盛んになり、多くの世界の子どもたちにワクチンが届けられればいいな、と思っています。

皆さんもご協力をよろしくお願いいたします。

※JCVフォーラム in 東京 当日の様子はこちらから:
http://www.jcv-jp.org/activity/domestic/forum_tokyo2006.html


■お知らせ

☆当院の紹介ビデオをHPでも公開中です。どうぞご覧になって下さい。


■感染症情報

先月(12月)はウイルス性胃腸炎が大流行しました。
保育園や学校などといった子どもたちの集団でも多くの感染者がでました。

ノロウイルスはその原因病原体の一つで、ときに食中毒として集団発生することがあります。
しかし、今回の大流行はほとんどが人-人の感染です。
嘔吐物や下痢便の中に大量のウイルスが排出されるので、その後の始末を丁寧にすること。
また流水でしっかりと手洗いすることなどにより、感染の拡大を防いでください。

通常は数日で回復しますが、嘔吐が強くて長びいていると脱水になってしまいます。
とくに乳幼児と高齢者は注意が必要で、全身状態の悪い時には急いで診療を受けて下さい。

昨年春から流行の続いていたおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は下火になりました。
溶連菌感染症が少しずつ増加中。
のどの痛みが強く、熱を伴います。
抗生物質による治療が必要です。

水ぼうそう(水痘)も増加しました。
マイコプラズマという菌による気管支炎・肺炎が、まだそうとう目立ちます。
昨年からの流行がまだ続いています。

麻疹、風疹の患者発生はありませんでした。
インフルエンザの発生は当院ではまだ確認していませんが、例年1月半ばには流行が始まります。
くれぐれもご用心を。

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