2007年10月号(202号)   

From: tsukada@kodomo-iin.com
Subject: ☆デジタル「こども通信」2007年10月号☆
Date: 2007年10月1日 13:44:20:JST
To: tsuushin@kodomo-iin.com

 厳しい残暑が続いた9月がやっと終わり、ようやく過ごしやすくなってきました。

 でも2か月もすると寒い冬。この季節が長く続くといいな、という気持ちです。


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  デジタル「こども通信」2007年10月号(通巻202号)

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    発行:塚田こども医院
     (院長 塚田次郎)

    〒942-0072
    新潟県上越市栄町2-2-25
    TEL 025-544-7777 FAX 025-544-8456
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 今月の話題
  ●負の連鎖を断ち切る
  ●【子どもの救急】耳のトラブル
  ●【院内迅速検査】聴力の検査
  ●母校で「病児保育」について講演
  ●お知らせ
  ●感染症情報

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■負の連鎖を断ち切る

 あなたはいじめられた経験がありますか? そしてそのあと、他の人をいじめることで気を紛らわせたことはありませんか?

 例えば中学の部活動。入部した時に上級生から不当に厳しくされたとします。学年が進んで上級生になった時、あなたはどんな行動をとりますか?

 選択肢は二つ。一つは同じく下級生に辛くあたる。もう一つはそうしないこと。そこに人間としての成熟さが表れてきます。

 自分が嫌な経験をした時、それを他の人にさせてはいけないと思う人は、人格が豊かに育っているのだと思います。

 どこかで嫌なことを食い止めなければ「負の連鎖」はそのまま続くことになります。誰かがその役回りをしなくては、いつまでたっても同じ事を繰り返します。

 社会をより良い方向に進ませることによって、内に抱える苦痛を感じなくなる。心の中にはきっと温かいものが流れているのでしょう。そんな生き方は、素晴らしいですね。

 理想論かもしれません。でも、そんなふうに心豊かに生きていきたいな、と強く思う昨今です。


■【子どもの救急(33)】耳のトラブル

 子どもの耳のトラブルでもっとも多いのは急性中耳炎によるものでしょう。鼓膜の奥に中耳という小さな部屋がありますが、ここは喉の奥と耳管でつながっていて、口の中の細菌が入ってくることが中耳炎の原因です。

 中耳の中の圧力が高くなるために痛みがとても強くなります(耳痛)。耳の穴に指先を入れ、時に涙を流すほどの痛みです。圧力がさらに高くなると鼓膜が破れ、耳の外に膿が流れ出してくることもあります(耳漏)。破れた瞬間に圧力が下がるので、痛みはなくなります。

 中耳炎の痛みが強い時には、痛み止めの薬を使ってみて下さい(熱冷ましの坐薬などが痛み止めの働きもあります)。とりあえず痛みは抑えられるはずですが、翌日には小児科または耳鼻科を受診して下さい。

 中耳炎の治療には抗生物質が必要。内服、点耳液、ときに点滴を行います。程度が強い時には鼓膜を切開し、中の膿を排出させることもあります(専門の耳鼻科医にお願いします)。

 外耳炎も見かけます。耳垢のたまるところが外耳道。耳垢を取る時、強く外耳道の壁をこすってしまうとそこに傷ができ、そこから細菌感染をおこすことがあります。この時も耳痛が強く、中耳炎と同じ対処をして治します。

 小さな子は耳の穴にビーズなどの小さな異物を入れてしまうこともあります。緊急性はないことが多いですが、耳鼻科を受診して取り除く必要があります。

 聴力低下が急におきることもあります。とくにおたふくかぜ罹患後になることがあり、難聴を防ぐためにも予防接種の必要性が強く叫ばれています。(聴力検査の器械を使えば専門医ではなくても検査することが可能です。詳しくは下の欄を参照)

 子どもは中耳炎をはじめとして耳のトラブルをおこしがち。小児科医も耳の中を診るようトレーニングを受けています。心配なことがありましたら、小児科でもお話下さい。


■母校で「病児保育」について講演

 先月12日、私の出身大学である自治医科大学(栃木県)から依頼があり、講演を行ってきました。女性医師支援のためにぜひ病児保育を始めたいが、病児保育についての経験を語ってほしいということでした。

 当日は午前の外来終了後すぐに電車に乗り、4時からの講演に間に合わせました。病児保育の話、それも母校からとなっては絶対に断れません。ちょっと頑張りました。

 講演はそれなりの反響があったようです。あとは大学が実施に踏み切るだけ。私はその“火種”はつけてきました。

 卒業して26年。医師になると同時に新潟県に戻ってきましたし、出かけることもほとんどなかったのでずいぶん久しぶりです。講演を行った講堂は当時と同じ。学生として医学を学んでいた場所で、まさか自分が偉そうに(?)大学の先生方に話をするとは思ってもいませんでした。

 当時は林の真ん中に大学だけがぽつんと立っていたのですが、今や周囲は開発されて街並みができていました。学内の様子も、ずいぶんと変わっていて、まるで“浦島太郎”状態。

 一番興味があったのは、昨年オープンした「とちぎ子ども医療センター」です。短い滞在時間でしたが見学させてもらいました。高度な小児医療の拠点としてすでに活躍している様子がよく分かりました。明るく、かわいらしく、センスのあるデザインを見ていると、ここでは子どもたちが大切にされているのだろうな、と実感して帰ってきました。


■【院内迅速検査(19)】聴力の検査

 耳の聞こえは子どもの発達にとってとても大切です。もし全く聞こえないと「音のない世界」で生きて行かなくてはいけません。言葉を覚えることも難しく、精神発達の面で大きな問題をかかえます。

 対策はできるだけ早く発見し、補聴器を使ったり、言葉のトレーニングをすること。

 生まれつきトラブルを持っていることもあるため、最近は新生児期に聴力検査を行うことが一般的になってきました(新しい母子手帳には検査の結果を記載する欄も作られています)。当院では乳児期の早い段階で1回は検査を受けられるよう、専用の検査機器を購入しました。

 乳児健診ではすでに問診で聴力のチェックをしていますが、さらに検査機器も有効に活用し、強力なスクリーニング体制を整備していきます。

 またおたふくかぜの合併症として難聴がおきることもあり、その早期発見にも役立つでしょう。

 この簡易検査で難聴の心配があるときには、専門の耳鼻科医へ紹介し、診療を受けていただきます。


■お知らせ

☆インフルエンザ予防接種
●インフルエンザ予防接種を今月22日より行います。インフルエンザは必ず冬に流行する感染症。ぜひワクチンを受けておいて下さい。
●ただいま受付中です。予約は0120-447709へお電話下さい。受付時間は午前9時〜午後5時(水曜、土曜は12時まで)です。

☆これから朝肌寒い日に、子どもにあまり厚着をさせると、日中汗だくになるかも。下は薄着にし、羽織るもので調整して下さい。

☆これから水ぼうそうやおたふくかぜが流行してきそう。いずれもワクチンで予防できます。任意接種ですが、ぜひ受けて下さい。


■感染症情報

 9月は厳しい残暑だったためか、いわゆる「夏かぜ」の流行が続いていました。中でも手足口病やヘルパンギーナがとくに目立っていました。いずれも数日で良くなる軽いウイルス感染症。昨年流行したプール熱(咽頭結膜熱)は、今年はほとんど見かけていません。

 その他では大きな感染症の流行はなし。ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)、溶連菌感染症、水ぼうそう(水痘)、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)などは若干の発生がありましたが、流行と呼べるほどの規模ではありませんでした。しかし、これから寒い季節に向かうと次第に多くなり、流行することも十分に考えられます。注意をお願いします。(水ぼうそうとおたふくかぜは、任意接種ですがワクチンによって予防が可能です。まだかかっていない方はぜひ受けて下さい)

 マイコプラズマによる気管支炎・肺炎の発生はまだ続いています。年単位での流行です。咳がとても強くなり、喘息発作のきっかけになることもあります。専用の抗生物質が必要ですので、咳が強い時には早めに受診して下さい。

 麻疹、風疹の発生は、当院ではありませんでした。

 インフルエンザが新潟県内で発生したという情報がありました。現在はまだ散発的。しかし冬には必ず流行する感染症です。今月下旬より医療機関での予防接種が始まります。子どもたちへは任意接種になりますが、ぜひ受けておかれるようお勧めします。

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