2008年1月号(205号)   

 新年明けまして
   おめでとうございます!


 良いお正月をお迎えのことと思います。

 皆さんにとって、2008年が素晴らしい年になることを、心より願っています。


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 今月の話題
  ●勇気をもって一歩前へ
  ●感染症情報をご活用下さい
  ●【子どもの救急】口のトラブル
  ●【院内迅速検査】体温測定(2)
  ●お知らせ
  ●感染症情報

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■勇気をもって一歩前へ

 さて昨年はどんな年だったでしょう。残念ながら明るい話題があまり思い出せません。年金の問題、食品安全の問題など、社会のあり方そのものを問い直す出来事が多かったようです。一年を表す漢字が「偽」でしたが、考えさせられるものがあります。

 それぞれの問題は行政や会社といった組織のあり方が問われることです。しかし、それだけではないように思うのです。そこに関わっているのは一人ひとりの人間。与えられている仕事がどこかおかしいぞ、と気づくことはなかったのでしょうか。それを声にして他の人に伝えることはしなかったのでしょうか。そして、それを直そうとして行動することもなかったのでしょうか。

 社会や組織のあり方だけではなく、個人の考え方や行動も問われているのだと思うのです。一人ひとりがしっかりとしなくては、今日本がかかえている混乱した状況を変えることはできないでしょう。

 昔の名言に「義を見てせざるは勇なきなり」(論語)があります。ぜひ勇気を持って一歩前に進みたいと思います。

 そして、この社会を少しでも良くしようと思う心が大切にされることを願っています。決して「正直者がバカをみる」ことのないように。


■感染症情報をご活用下さい

 子どもたちの病気で一番多いものは感染症。そして流行するものが大部分です。

 小児科外来で診療していると、どの地域や学校・園で、どんな感染症が流行しているかという情報がとても役にたちます。インフルエンザがその良い例です。クラスで発生しているという情報があれば、発症からさほど時間がたっていなくても診断することができます(検査で診断できるのは半日〜丸1日程度たってから)。

 子どもたちの間で流行しやすい感染症については、全国で流行状況を調査しています。全国で小児科医が毎週、患者の発生数を保健所を通して厚生労働省に届けています。当院もその一つに選ばれています。

 国では毎週のデータを解析し、インフルエンザの流行がどの地域で始まっているかなど、全国の動向を公表しています。
麻疹(はしか)と風疹については、とくに注意をすべき感染症なので、全国の全ての医師はそれらの患者を診察したら24時間以内に保健所へ届けることになりました(今月より)。

 当院では毎週の感染症発生状況を独自に分析し、流行の様子や注意すべきことを「感染症情報」としてお伝えしています。FM放送、有線放送、インターネットのホームページ、電子メール、FAXなど、そのメディアは多種にわたっています。ぜひご利用いただき、子どもたちの健康作りにお役立て下さい。


■【子どもの救急(36)】口のトラブル

 口は空気や食事などの通り道。呼吸器でもあり、消化器でもあります。そして、いずれも入り口に位置しています。そのため、もし口のトラブルが発生すると、呼吸がしにくくなったり、食事などがとりにくくなってしまいます。

 口の構造は唇、歯、舌、扁桃、咽頭などがあり、小児ではそれぞれのトラブルが発生しやすいものです。
唇は冬場には乾燥しやすく、自分の舌でなめるとますます荒れてきます。なめさせないようにすることと、子どもにもリップクリームが必要なときもあります。

 ヘルペス性口唇炎は大人の病気ですが、子どもでも出ることがあります(抗ウイルス剤の軟膏が効きます)。風邪などで体調が崩れると口角が切れてきます(湿疹用の軟膏を使うと治ります)。
歯のトラブルというと虫歯がその代表。一昔前より少なくはなりましたが、歯が溶けてしまうくらいの重い虫歯(味噌っ歯?)の子もいます。歯茎の中に膿がたまったり、歯茎が腫れたりすると、歯医者さんも治療に難渋するようです。

 口の中の粘膜がいたむこともあります。体調が悪いとアフタ性口内炎ができ、とても痛むのは大人と同じ(専用の軟膏があります)。乳児ではカンジダというカビが生えてくることもあります(鵞口瘡=がこうそう、抗真菌剤で治します)。

 舌が真っ赤になっている時には(いちご舌)溶連菌感染症か川崎病が疑われます。

 扁桃腺は乳幼児期は免疫を作る働きがあるために大きいのが普通ですが、ときに大きすぎていびきや呼吸困難の原因になることもあります。また繰り返し感染をおこしてしまうのも幼児期の特徴です。

 咽頭は喉の奥の壁。風邪などで咽頭が赤くなり、痛くなります。溶連菌感染症ではとても強い痛みと、燃えるような赤さが特徴的。

 口のトラブル予防のために口腔内の清潔が大切だということが分かっていただけるかと思います。


■【院内迅速検査(22)】体温測定(2)

 体温は健康状態の大切なバロメーター。その測定は今では家庭で普通に行ってもらっています。

 体温とは本来は体の深い場所の温度です。口腔内や肛門内の温度を測ることができればより正確な体温測定となります。しかし簡単にはできないために、日本では脇の下を使って測ることが一般的。

 皮膚の表面は外気にさらされていて、その温度は体温より低めになります。脇の下はくぼんでいるので、さほど温度の変化はないようですが、それでもしっかりと体温計をはさみこむ必要があります。

 また脇の下が汗で濡れていたり、冷却剤を付けていたりすれば、より低い体温になってしまいます。

 現在使われている体温計は電子式が大半。1〜2分ほどでピッと鳴りますが、これは中の回路が体温を予想して出した「予測体温」。以前に比べれば誤差は少なくなっていますが、それでも「あれ?」と思う数字になることがあります。

 そんな時にはさらに10分ほど入れておくと、より正確な実測体温になります。


■お知らせ

☆いよいよ冬本番。インフルエンザの流行も心配です。うがい、手洗い、マスクなどのほか、「咳エチケット」も忘れずにお願いします。

☆昨年度より小学校入学前に麻疹・風疹混合ワクチンを受けることになっています(2期)。まだすませていない方はお早めに。


■感染症情報

 インフルエンザの流行が全国的に過去20年間でもっとも早く始まりました。当地でも12月中旬より一部の学校での集団発生がありました。幸い冬休みに入ってその勢いが衰えましたが、3学期が始まると再度流行が始まる可能性があります。十分に注意をしていて下さい。

 子どもたちはインフルエンザにかかると急に走り出したりする「異常行動」をおこしがちです。治療薬であるタミフルがその原因と言われたことがありましたが、必ずしもそうではないようです。インフルエンザにかかってしまったら、お子さんの様子をよく見ていて、必ずそばについていて下さい。

 また他の方へ感染させないよう、咳やくしゃみをする時にはティッシュペーパーで口や鼻をおおうというエチケットも忘れずに。
ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)が引き続き流行しています。急に吐いたり下痢をしたりする感染症で、春先まで発生が続きます。すぐに飲んだり食べたりするとまた吐いてしまうことがあり、しばらくはお腹を休ませて下さい。脱水には十分ご注意を。

 マイコプラズマ感染症の流行も続いています。咳がとてもつよくなるのが特徴。百日咳も発生していて、こちらも強い咳が特徴的。
水ぼうそう(水痘)、 溶連菌感染症、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)などは少しずつの発生でした。

 麻疹、風疹の発生は当院ではありませんでした。


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