2009年3月号(219号)  



 大流行となったインフルエンザも、ようやく峠をこえ、終息までもう少し。

 年度末の忙しい時期になりますが、体調に気をつけてお過ごし下さい。

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今月の話題
 ●節目の月
 ●花粉注意報!
 ●【子どもの救急】手足の痛み
 ●【特殊検査】血液凝固機能検査
 ●お知らせ
 ●感染症情報

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●節目の月

 3月は年度のしめくくり。卒園式や卒業式も行われます。お子さんの成長ぶりを、あらためて実感することもできるでしょう。

 子どもたちの成長は絶えず続いています。しかし日々の変化はわずかで、昨日と今日は違う、と感じることはあまりありません。でも、ときには「大きくなったものだ」と思える時もあります。それは子どもが急に変化したのではなく、大人が見えていたのに分からなかっただけなのかしれません。

 卒園式や卒業式は、きっとそんな舞台になるでしょう。お子さんの成長ぶりをあらためて感じて下さい。

 私は格式張ったことがあまり好きではありません。だから、自分が小さいころも、自分の子どもたちが小さかったころも、学校などの行事にさほど関心はありませんでした。苦手だと思って、いつも逃げていたのかもしれません。でも、ほんとうはそれではいけなかったのだな、と思うようにもなってきました。歳をとったからかもしれません。

 人生の中で節目というのは、やはり大切です。その一つひとつを丁寧に見守り、見送ることが、次の成長につながっていくのでしょう。園や学校の催し物も、お子さんの成長を確認する絶好の場だと思って、どうぞ楽しんで参加して下さい。


●花粉注意報!

 春の訪れが待ち遠しい季節ですが、中には「春は苦手」という人もおられるかも。スギ花粉症の方は、きっとそう思っていることでしょう。

 スギの花粉が原因で、目と鼻のアレルギー症状がおきます。目がかゆくなり、涙目、流涙、結膜の充血・・。鼻もぐちょぐちょとして、かゆみがあり、鼻水が多く、くしゃみも連発。子どもでは鼻づまりが強くなる傾向があります。さらに程度が強いと、体がだるくなり、微熱がでて、風邪と同じような状態になることもあります。

 お天気が良く、温かな日の午前中からお昼すぎまでが一番危険。花粉がついた洋服や布団でも症状がでてきます。

 以前は花粉症は若い大人の病気と言われていましたが、もはやそんな“常識”は通じません。幼児の花粉症も珍しくはないのです。内科ではお年寄りの患者さんも多いのだとか。それまでは何も症状のなかった方が、ある年に急に花粉症が始まる、ということもあります。

 日本人の2割は花粉症と言われています。2,000万人が悩む病気・・根本的には日本中からスギがなくなればいいのかもしれませんが、それは無理な話。もしそのためにどんどん伐採されたらスギにとってはいい迷惑でしょう。ここは人間の方が自衛するしかないようです。

 関東地方などでは2月中旬から飛散がすでに始まっています。当地でも3月中旬には花粉が飛び始めるでしょう。予防薬の服用を始めるなど、早めに対応をお願いします。


●【子どもの救急(50)】手足の痛み

 子どもが足などを痛いと言ったら、まずその場所をよく見て下さい。子どもたちは活発です。たえず動き回り、知らないうちにあちこちに傷跡を作っていることもよくあります。多少の皮下出血はそのままでかまいません。でも、大きく腫れ上がっていたら、整形外科などを受診して下さい。

 痛いという場所を見るだけではなく、次に触ってみて下さい。腫れの様子もよく分かりますし、熱を持っているかどうかも分かります。少しも触らせてくれないようなら、そうとう痛みが強いのかもしれません。

 しかし、触っているといつの間にか痛みがやわらぐこともあります。そうなったら、それほど大きなトラブルではないのだと思います。

 痛みを訴える時間帯はどうでしょう。もし骨や関節などの故障があれば、そこに力が加わっているときが一番痛いはず。つまり、体を動かす昼間に痛みが強くなるでしょう。実際には、夜になってから、または寝入ってから痛くてシクシク泣き出すことがよくあります。こんな時は「悪い夢」を見ているような状態かもしれません。

 人は昼間経験して脳の中に受け入れた情報が、記憶をするためにもう一度よみがえり、別の場所に移動します。数時間おきに睡眠のリズムが代わるわけですが、その時に夢をみます。怖いことだけではなく、楽しいことでも刺激が強いと、それが強い夢となって、目が覚めかけることもあります。そして、この時によく手足を痛がるようなのです。夜泣きと同じだと思って下さい。

 お母さんやお父さんがお子さんのそばにいて、痛がる場所を優しくなでてあげると、安心してまた眠りについてくれるでしょう。もし病気などの問題があれば、見る・触るということで発見できるはずです。いたずらに不安がったり、心配したりする必要はありません。

 パパとママの手は「魔法の手」なんですよ。


●【特殊検査】血液凝固機能検査

 血液は体内を流れている間はさらさらと流れています。体外に出るとすぐに固まり始め、血の固まりを作ろうとします。血が固まることを「血液凝固」とよび、固まってできた固まりがいわゆるカサブタです(医学的には「凝血塊」といいます)。

 血液の固まりやすさ(あるいは固まりにくさ)には多くの成分や機構が、複雑にかかわり、ちょうど良いバランスがとられています。

 もし異常に固まりやすければ体内で血液が固まり、血管が詰まってしまいます(脳梗塞など)。逆に血液が固まりにくいと、出血しやすい状態になります(傷からの出血や鼻血がいつまでも止まらない、打撲のあとが異常に大きな皮下出血になるなど)。

 血小板という血液成分も重要で、多すぎても少なすぎても問題になります(ときには質も)。血小板の数については外来ですぐに検査ができます。

 小児科外来で血液凝固が問題になることは少ないのですが、ときには詳しい検査を専門の検査センターに依頼することもあります。


●お知らせ

☆2月28日〜3月8日までは「子ども予防接種週間」。受け忘れているものがないか、ぜひ母子手帳を開いて確認してください。

☆花粉症に使う内服は眠気がでやすく、運転などに十分注意して下さい。最近は眠気の少ない薬もありますし、漢方薬も試しています。


●感染症情報

 今シーズンのインフルエンザの流行はここ数年間で最大規模になりました。1月中旬より本格的な流行が始まり、1月末?2月第一週がピーク。その後は少しずつ下火に向かいましたが、終息したわけではありません。もうしばらく注意をお願いします。

 Aソ連型インフルエンザが、治療薬の一つであるタミフル(内服薬)に耐性があるとして問題になりましたが、実際に使っていて、とくに効果が弱くなったという印象はありません。もう一つの治療薬であるリレンザ(吸入薬)とともに、インフルエンザ治療の重要な薬としての位置づけは変わりないものと思います。

 飛び出したり、うわごとを言ったりするという“異常行動”については、治療薬との関係も問題にされていますが、インフルエンザそのものでもおきている可能性があります。ご家庭ではインフルエンザにかかったお子さんをよく見守っていて下さい。

 インフルエンザに代わって感染性胃腸炎の発生が増加しているようです。園などでの集団発生もおきています。手洗いなどを丁寧に。

 溶連菌感染症も増加中。喉がとても痛くなるのが特徴です。

 水ぼうそう(水痘)はやや少なくなったようです。おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は発生がないようですが、いずれもワクチン接種で予防できます(任意接種)。

 麻疹、風疹の発生は当院ではありませんでした。 

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