2010年1月号(229号)  


 新年明けまして
   おめでとうございます。


 新しい年、2010年が始まりました。
 皆さまにとって、良い一年でありますよう、祈っております。


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今月の話題
 ●すべては子どもたちのために
 ●【子どもの救急】新型インフルエンザと予防接種
 ●新型インフルエンザの症状でチェックするポイント
 ●お知らせ
 ●感染症情報

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●すべては子どもたちのために

 当院は1990年6月開設。今年は20周年に入ります。この間、地域の方々とともに、子どもたちの成長を見守り続けてきました。病気になった時の診療だけにとどまらず、健診や予防接種を通じて子どもたちの健康作りのためにも尽力してきました。

 この通信をはじめ、たえず最新の情報発信を続けてきました。インターネットのホームページによって、情報提供の範囲は一挙に拡がりました。2001年「わたぼうし病児保育室」を併設。地域の子育て支援に対して、大きな貢献ができているものと自負しています。(今年度から上越市の受託事業になりました)

 「栄養相談」「心の相談室」など、その時々に必要な事業を開始し、より充実した小児科医院を目指してきました。昨年は新型インフルエンザの診療をするため「隔離棟」を建設。予防接種にも積極的に取り組みました。

 子どもたちのより豊かな成長を後押しするのが私たちの仕事。そしてより豊かな社会を作り出すことにつながると考えています。「すべては子どもたちのために」(どこかのCMのパクリです)を合い言葉に、今年もさらに発展させていこうと思っています。どうぞ宜しくお願いします。


●【子どもの救急(60)】新型インフルエンザと予防接種

 新型インフルエンザの予防接種はすでに幼児などを中心に進んできました。もう受けた方も多いことでしょう。

 これまでは国産ワクチンを使っています。製造方法は季節性ワクチンと同様。効果も同じくらいあり、13歳以上の方には1回で十分な免疫ができています。(1?12歳は2回の接種)

 「かからなくてすむ」ほどの効果があればいいのですが、そこまでは期待できません。かかった時に重症にならないようにするのが主な効果です。

 新しいワクチンということで副作用も心配されましたが、季節性ワクチンと同じ程度のようです。最も多いのは注射部位の赤みや腫れで、数日で治ります。その日か次の日に熱がでることもありますが、頻度は低く、そのままで大丈夫です。

 鶏卵を使って作っているワクチンなので、鶏卵に対して重いアレルギーのある方は要注意です。しかし、厳重な食物制限が必要な方以外には、とくに問題なく接種できています。

 今後、外国産のワクチンが使われるようになると、製法が違うために副作用などに注意が必要になります。国の計画では大人に対して外国産ワクチンが使われるとのことです。

 今シーズンは季節性ワクチンと新型ワクチンの2種類があり、ずいぶんと混乱しました。子どもたちはそれぞれが2回、合計で4回の注射が必要でした。すべて任意接種で行われたので、経済的な負担も大きくなりました(新型ワクチンは一部の自治体で助成あり)。

 医療機関側としても、より多くの方に接種を受けてもらえるような体制にするのがとても困難でした。ワクチンの入荷が遅れたことも混乱に拍車をかけました。

 次のシーズンが気になるところですが・・ワクチンは一つになるようです。もともと季節性ワクチンは3種類の混合なのですが、Aソ連型の流行がほとんどなくなったためにはずされ、代わりに今シーズンの新型ワクチンが入ります。例年と同じく、一つのワクチンを受ければよくなるので、受ける側も接種をする側も負担はそうとう軽減されます。

 また、計画的にワクチン生産がすすむでしょうから、今シーズンのようなドタバタ劇はもうおきないものと思います。

 できれば公費による接種ができるよう、国の方針が変更されれば、国民にとっては朗報になります。政権も変わったので、期待をしているところですが、どうでしょうか。

 なお、すでに新型インフルエンザにかかった方は新型ワクチンを受ける必要はありません。昨年秋には季節性インフルエンザはほとんど発生しておらず、A型インフルエンザと診断された方は新型だったと考えて間違いありません。
 

●新型インフルエンザの症状でチェックするポイント

 新型インフルエンザにかかったとき、次のような症状がないか、よくお子さんの様子をよくみていて下さい。

□ 手足を突っ張る、がくがくする、眼が上を向くなど、けいれんの症状がある。
□ ぼんやりしていて視線が合わない、呼びかけに答えない、眠ってばかりいるなど、意識障害の症状がある。
□ 意味不明なことを言う、走り回るなど、いつもと違う異常な言動がある。
□ 顔色が悪い(土気色、青白い)。唇が紫色をしている(チアノーゼ)。
□ 呼吸が速く(1分間に60回以上)、息苦しそうにしている。
□ ゼーゼーする、肩で呼吸をする、全身を使って呼吸をするといった症状がある。
□ 「呼吸が苦しい」、「胸が痛い」と訴える。
□ 水分が取れず、半日以上おしっこが出ていない。
□ 嘔吐や下痢が頻回にみられる。
□ 元気がなく、ぐったりしている。

 これらの症状が、直ちに重大な合併症などをしめしているわけでありません。経過をよくみて、必要に応じて早期の受診をお願いします。

 また、ここに挙げた症状以外でも、いつもと様子が違って心配な場合には、 かかりつけの小児科医に相談してください。


●お知らせ

○当院の病児保育室が取材対象になった「ニュース・ゼロ」の放送予定がなかなか決まりませんでした。
今月中にはオンエアされるかも。ご期待下さい。
 
○新型インフルエンザ予防接種のスケジュールは都道府県が決めています。
1月は中高生も対象になります。ぜひ受けて下さい。


●感染症情報

 新型インフルエンザは引き続き流行が続いています。全国的にはピークを過ぎ、警報レベル以下のところもでていますが、下火になったわけではありません。

 1月?2月は季節性インフルエンザの流行しやすい季節。この頃に新型インフルエンザも再度流行するかもしれません。これまで季節性インフルエンザの発生はほとんどありませんが、もしかしたら重複して流行する可能性もあります。引き続き十分に注意をして下さい。

 新型インフルエンザの症状、対処の方法などは新型インフルエンザとかわりありません。しかし合併症が問題です。脳症の頻度は高く、重症肺炎による呼吸不全がおきることもあります。タミフルやリレンザをしっかり使うとともに、お子さんの状態をよくみていて下さい。

 その他では大きな流行をおこしている感染症はありません。感染性胃腸炎、溶連菌感染症、水ぼうそう(水痘)などは冬場に向かって多くなるのが例年のことなのですが、今年は極端に少なくすんでいます。正確な理由は不明ですが、新型インフルエンザ予防のために実施しているマスク、手洗い、うがいなどの励行が、他の感染症の予防にも役立っていることも考えられます。

 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は若干の発生。マイコプラズマ感染症はまだ見かけています。麻疹、風疹の発生は当院ではありませんでした。

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