2011年1月号(241号)  



新年明けまして
  おめでとうございます


 新しい年、2011年が始まりました。
 厳しい季節の中での新年です。
 まずは体調に気をつけてお過ごし下さい。
 そして子どもたちがますます楽しく、幸せに過ごせる年になることを願っています。


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今月の話題
 ●年頭にあたって・・21世紀から10年
 ●【ワクチン】同時接種のすすめ
 ●【感染症】インフルエンザに新しい治療薬
 ●お知らせ
 ●感染症情報

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●年頭にあたって・・21世紀から10年

 21世紀が始まって10年です。何かが変わると期待された新世紀の到来でしたが、ここ10年でどれほどのことが変わったのでしょう。

 豊かさを実感することもできず、余裕のなく、むしろ生きることが困難になってきたようにも思います。「心の時代」とも言われましたが、相変わらずモノやお金が社会の動きの中心になっているのではないでしょうか。

 日本の少子化傾向は歯止めがかかるどころか、ますます進行。若い人たちにとって、それほど将来に希望がもてない国なんですね。何をどう変えていけばいいのか、なかなか答えが見つかりません。

 でも一つ言えること・・目の前の問題に丁寧に対応することが全てかも。日々のことをないがしろにせず、その努力の積み重ねの中から、まっすぐに進む道を切り開いていくことができるのでは。

 そんなシンプルなことを信じることができるような年になるといいな。そんなふうに思います。今年もどうぞよろしくお願いします。


●【ワクチン】同時接種のすすめ

 ワクチンは感染症を予防するため。そのウイルスや細菌に接触する前に接種を受けておきたいものです。そうであれば、受ける時期は早いにこしたことはありません。ワクチンによって受けられる年齢(月齢)が決まっていますが、その時期になったら早めに受けて下さい(例えば麻疹・風疹混合ワクチンは1歳から)。

 一つ困ったことがあります。それはいくつものワクチンがあるために、他のワクチンを受けるときには一定の間隔が必要(生ワクチンからは4週間、不活化ワクチンからは1週間)。一つひとつ接種を行っていくと、期間がそうとうかかってなかなか終わりません。その間に感染症にかかってしまうことも心配されます。

 それを解決するのは、複数のワクチンを同時に接種するという方法です。同じ日の接種であれば効果に代わりなく、副作用の出方にもとくに問題になることはありません。

 お子さんが泣くのは1回ですみますし、病医院に連れて行く回数も大幅に少なくなります。とくに乳児期にはいくつかのワクチン接種があります。それらをまとめて行うことができれば、赤ちゃんや親御さんの負担が軽減されます。

 今後ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)が公費によって無料で接種できるようになります。ちょうど3種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)の接種時期に重なりますし、接種の回数もほぼ同じです。

 これらのワクチンを別々に接種すると、乳児期に9回注射を受けに通わなくてはいけません。接種が終わるのも相当な期間が必要です。もしこれらを同時に接種するとしたら、3回の通院でおわりますし、期間も最短8週間ほどすみます。

 当院ではこれまでも親御さんのご了解がある場合には同時接種を行ってきました。実際に問題なく接種できることを経験しています。これから新しいワクチンが増えるにつれ、負担がさらに大きくなりますので、複数ワクチンの同時接種をお勧めしていきます。予約をされる際にその旨をお話いただければ準備致します。


●【感染症】インフルエンザに新しい治療薬

 昨シーズンはブタ由来に新型インフルエンザが世界的に大流行になりました。幸い「弱毒性」でしたが、多くの国では多くの死亡や重症者がでていました。

 日本でも多くの患者発生がありましたが、亡くなる方はとても少なく、世界中から注目されました。その原因は抗インフルエンザ薬でした。日本ではタミフルなどのインフルエンザ治療薬をもともと多く使っていました。ときには世界から非難されることもありました。

 他の国々では、普通の季節性インフルエンザであれば抗インフルエンザ薬はいらないという考えが一般的。しかし日本では普段から使い慣れていたので、いざという時=新型インフルエンザ発生時にスムーズに対応ができたわけです。

 また病医院へのアクセスの良さは日本が世界一といっていいでしょう。発症から半日や1日程度で受診し、抗インフルエンザ薬の使用が開始できる状態が普通です。他の先進国では、数日自宅で過ごし、重症になってから受診をするので、抗インフルエンザ薬が効かない患者さんが多数でてしまいます。

 日本の保険制度が国民全てを対象にし(国民皆保険)、比較的安い費用で医療を受けられるからこそ、新型インフルエンザはさほど大きな脅威にはなりませんでした。

 その抗インフルエンザ薬に新薬が誕生しました。注射薬の「ラピアクタ」(一年ほど前からありましたが、最近、外来診療でも使用できるようになりました)と吸入の「イナビル」です。いずれも1回の使用のみで治療が完了。そして純日本製です。これまでのタミフル、リレンザとともに、インフルエンザが流行した時にも大いに力を発揮してくれることでしょう。


●お知らせ

○インフルエンザは飛沫感染。咳やくしゃみの時にウイルスが飛び散ります。マスク、ティッシュなどで覆いましょう(咳エチケット)

○新しく公費になる予防接種は市町村が主体。開始の時期、方法などは少しずつ違います。各自治体からの案内を参照して下さい。


●感染症情報

 当地では12月に溶連菌感染症が大流行になりました。溶血性連鎖球菌という細菌による咽頭炎で、強い喉の痛みと熱が主な症状。発疹(ほっしん)を伴うこともあります。抗生剤をきちんと使うと3日程度で症状がおさまり、伝染力もなくなるため登校・登園できるようになります。リウマチ熱や急性腎炎といった合併症をおこさないためにさらに7日ほど抗生剤を継続する必要があります。

 感染性胃腸炎も大きな流行になりました。嘔吐、腹痛、下痢が主な症状。ノロウイルスがその代表ですが、他にもロタウイルスなどもあります。嘔吐物や下痢便の中に大量のウイルスが入っています。それらも始末は丁寧に。手洗い、うがいなどもこまめに行って下さい。

 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)も引き続き流行中。耳下腺が腫れ、痛みと熱がでます。症状がおさまるまで1週間ほどは休み。髄膜炎、難聴などの合併症も心配です。ぜひワクチンを受けて予防して下さい。

 マイコプラズマ感染症(気管支炎、肺炎)の流行もおさまっていません。咳がとても強くなり、喘息発作をおこすこともあります。

 水ぼうそう(水痘)も少しずつ見かけています。

 インフルエンザが12月に小規模な流行がありました。おそらく1月中には大きな流行になるでしょう。冬休みがあけて集団生活が始まったあとは十分にご注意を。日ごろから手洗い、うがい、咳エチケットを励行して下さい。

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