2011年2月号(242号) 

 豪雪お見舞い申し上げます

日本列島がすっぽりと雪におおわれました。
各地で大雪になり、交通がまひするなど、甚大な被害が発生しています。
心よりお見舞い申し上げます。


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今月の話題
 ●大雪とインフルエンザ流行
 ●【ワクチン】いよいよ公費無料化
 ●【インフルエンザ】合併症に注意を
 ●お知らせ
 ●感染症情報

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●大雪とインフルエンザ流行

当地でも雪が降り続き、医院駐車場には除雪でできた雪山が天高く積み上げられています(けっして誇張ではありません)。
上越市高田の1月の日照時間はわずか31時間ほどで、観測史上最悪だとか。
平均すると1日に1時間しか太陽が出ていません。

毎日目にするのは鉛のような重くて厚い雲・・
そんなもとでも人々が元気に明るく暮らしている様子をみて、自殺しようと直江津を訪れた作家・林芙美子は思いとどまったそうです(『放浪記』)。
でももしそれが今年だったらどうなっていただろう、などとヘンなことを考えてしまいました。

明けない夜はない、訪れない春はない・・こんな雪ももう少ししたら(?)やんでくれるはず。
その時を信じて頑張りましょう。

インフルエンザの流行もさらに拡大中。
数年ぶりの大きな流行になりそうです。
多くの方が不安に思っておられることでしょう。
自然現象の勢いを押しとどめることはできません。
もしインフルエンザが猛威をふるったら・・最大限の努力で、子どもたちをインフルエンザから守る覚悟です。
それが小児科医としての責務ですから。

ドンと来い、インフルエンザ! そんな気持ちです。


●【ワクチン】いよいよ公費無料化

3つの新しいワクチンが公費によって無料で受けられるようになりました。
乳幼児のヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)は細菌性髄膜炎を予防します。
思春期の女性には子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス)も用意されました。

とても重要なワクチンですので、本来なら法律に基づく予防接種にすべきなのですが、その整備が間に合わず、
とりあえず今年度と来年度は国が半額、自治体が残りを負担する形で、臨時の処置として無料化することになりました。

市町村の事業として行うため、住んでいる場所によって方法などが少しずつ違うのも、何だかおかしなことです。再来年度からは法律による制度になることを期待しています。

とはいえ、せっかくスタートした公費無料化。
ワクチンの意味を考えて、子どもたちを守るために積極的に接種を受けるよう、お願いします。

ところでおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)や水ぼうそう(水痘)のワクチンも、日本ではいまだ任意接種のまま。
残念ながら接種を受けている子どもたちはまだ少数です。

ワクチンで予防できるのに、そしてワクチンが私たちの手元にあるのに、これらの感染症にかかった子どもたちを毎日診療しているのは、とても心傷むものがあります。
お役所で、机を前にして仕事をしている人たちにとっては、病気にかかる子どもたちの様子が見えていないのでしょうか。

意思決定が遅く、ついいらだちを覚えてしまいますが、それでも少しずつ良い方向に進んでいるものと信じています。
予防接種行政もここ数年で大転換し、きちんとした制度が作られることを願っています。


●【インフルエンザ】合併症に注意を

インフルエンザの流行がさらに拡大し、数年ぶりの大流行になってきました。
昨シーズンは秋に新型インフルエンザが流行し、冬は逆に流行が小規模でしたが、今シーズンは違います。
例年と同じように、真冬にはやるパターンで、2月から3月はまだ流行が続きそうです。
 
インフルエンザの主な症状は高熱。寒気、だるさなど全身状態が悪くなります。
とても体力を消耗するので、乳幼児や高齢者にとってはインフルエンザそのもので重症になってしまうことがあります。

また、いろんな形のけいれんや意識障害がおきてしまいがちです。
一番多いのは幼児の熱性けいれん。
呼吸をとめ、白目をむき、全身をこわばらせたりピクピクさせたりします。
数分以内で収まり、そのあと具合良くしていれば通常の熱性けいれんでしょう。
しかし30分以上続く、くり返す、意識がもどらないなどということがあれば脳症も心配です。
すぐに医療機関に向かって下さい。

うわごとをいったり、おかしな言動をすることもあります。
「異常行動」として問題になることがありますが、多くは高熱によるせん妄状態で、一時的なもの。
通常は様子を見ているだけで大丈夫です。
タミフルなどの薬によっておきる場合もありますので、注意をしていて下さい。

インフルエンザの発熱時は「悪い夢」を見る傾向があり、部屋から逃げていったり、家から飛び出してしまうと事故にあってしまいます。
必ずお子さんと一緒にいて、見守っていて下さい。

新型インフルエンザは呼吸不全を起こしやすく、とくに喘息などの持病があるお子さんは注意が必要です。
咳込みが強くなり、痰が詰まって呼吸がしづらく、呼吸数がとても多くなっていたり、顔色が悪かったりすると問題です。
タミフルやリレンザなどの薬をしっかりと使うとともに、呼吸の状態もよく観察していて下さい。

その他にも、水分もとれなくなって脱水になったり、中耳炎をおこしたりします。

インフルエンザの治療のこつは早く診断し、早く抗インフルエンザ薬を使うこと。
そして合併症に注意をしながら、経過をみていくことにつきます。


●お知らせ

○インフルエンザは人から人に感染します。
その侵入口は口や鼻の粘膜。
手洗いとうがいは大切。
熱や咳のある方は必ずマスク着用を。


●感染症情報

インフルエンザが1月中旬より流行が本格化し、学級閉鎖が相次いでいます。
ほとんどはA型で、その大半はブタ由来の「新型」だと言われています。
1月中は小学生が中心でしたが、2月には幼児や高齢者などへ拡大することでしょう。
かかってしまうと重症化しやすいので、十分警戒をしていて下さい。
日ごろから体調管理をていねいに行い、手洗い、うがい、咳エチケットもお願いします。
インフルエンザの診療は一般の方と分けて行っています。
当院では「隔離棟」を積極的に使っていますので、高熱があるなど、インフルエンザらしいと思われる方は受付にお申し出下さい。

溶連菌感染症もまだ流行しています。
強い喉の痛みと熱の出る感染症で、抗生剤による治療の必要があります。

感染性胃腸炎もまだ見かけています。
手洗い、うがいなどはインフルエンザなどとも共通した予防策です。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はやや減少中。
水ぼうそう(水痘)もまだ少しずつ見かけます。
いずれもワクチン接種である程度予防することができます(任意接種)。

マイコプラズマ感染症の発生も続いています。

RSウイルス感染症もときどき見かけます。乳児の細気管支炎をおこし、強い咳や喘鳴がおきます。

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