20117月号



 梅雨のうっとうしいお天気が続いています。

 今年は節電も求められているので、涼のとり方も工夫が必要ですね。

 知恵を使いながら、これからの夏本番を乗り切って下さい。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「こども通信」2011年7月号(通巻247号)


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


    発行:塚田こども医院

     (院長 塚田次郎)


    〒942-0072

    新潟県上越市栄町2-2-25

    TEL 025-544-7777  FAX 025-544-8456

    e-mail tsukada@kodomo-iin.com

    HP http://www.kodomo-iin.com/



--------------------------------------------------------------


今月の話題

 ●モラルある政治家を

 ●【感染症】停電・節電と健康

 ●「日本的脱原発」への道

 ●お知らせ

 ●感染症情報

 ●配信解除


--------------------------------------------------------------


●モラルある政治家を


 日本の政治が混乱しています。未曾有の大災害と甚大な原発事故を前にして、こんなことをしていていいのかとあきれるばかりです。日本の最高指導者であるはずの総理大臣の言動には、今、目の前にある「国難」を、政治や行政のもてる力の全てを結集して乗り切ろうという意思が見えてきません。


 辞任を表明していますが、そのための3つの条件があるのだそうです。それらの法律が成立すれば辞任するというのは、裏返せば「成立しなければ辞任しない」ということになります。野党にも協力を求め、自ら汗をかかなければ法律は国会を通らないでしょう。そんな努力をしなければ=首相としての責務を果たさなければ、いつまでも首相で居続けられる、っておかしくないですか?


 モラル(倫理)という言葉は死語になっているのでしょうか。国民に、社会人として必要なモラルとは何かという模範を示してほしいと願うのですが、とうてい無理なことのようです。 


 むしろ「正直者がバカを見る」「まじめに取り組むと損をする」という教訓を与えているように思えてきます。困ったことです。



●【健康管理】  停電・節電と健康


 暑くて過ごしにくい季節になってきました。自分の子ども時代を思うと、この季節は食欲が落ちて夏ばてしていたことがよくありました。夜は暑くて眠れず、汗疹(あせも)もたくさんでき、膿痂疹(とびひ)になることもありました。


 それから半世紀が過ぎ、社会の様子はずいぶん変わってきました。暑さは同じか、むしろ厳しいですが、多くの子どもたちは元気いっぱい。皮膚のトラブルも、適切なケアをしてあげればさほどひどくなっていません。環境の違いの最たる物は「エアコン」です。職場にも家庭にもエアコンが普及し、気温を上手に調整できるようになりました。夏ばても、ひどい汗疹にもさようならです。


 それなのに熱中症の発生は問題になっています。ここ数年は毎年多くの方が病院に運ばれ、亡くなる方も少なくありません。戸外での活動については予防に努めなければいけないし、室内にいても適切な室温にして過ごすなどの注意が必要です。


 今年は原発事故の影響が広く、深く市民生活に影響を与えています。もしかしたら真夏の日中に停電になるかもしれません。エアコンを使えず、とくにお年寄りや小さい子には過酷な環境になってしまう事態も想定されます。そんな時の対策は十分でしょうか。


 また電力不足から節電を求められていますが、とくにピークになるのが平日・日中・猛暑の時。まさにエアコンによって冷房する必要がある時間帯です。節電は必要ですが必要なエアコンを使わずにかえって健康を害したり、命を失ってしまっては、何のための節電なのか分かりません。とくにお年寄りの方は「我慢強い」ですので、節電によって体調を崩してしまわないか、心配です。

 

「過度の節電」にならないよう、個々のご家庭などの様子をよく見守りながら、社会全体できちんと対応してほしいと思います。


※当院ではこれまで災害対応のために自家発電などを整備してきました。このたび、大型発電機を追加設置し、医院と病児保育室の主な部屋のエアコンを自家発電で稼働できるようにしました。これで万一の停電時にも冷暖房を使えるようになりました。また節電が強く求められた時には、商用電力から自家発電に切り替えて節電に協力する方針です。



●「日本的脱原発」への道


 福島第一原発の事故以来、世界中が原子力発電に頼らない社会へ、大きく舵をきっています。ドイツでは国民的な議論を行い、2020年までに原発を廃止することを政府が決めました。イタリアでは国民投票を行い、これまでの方針通り原発を新しく作らないことになりました。多くの国々で、原発の建設には慎重にならざるをえなくなっています。


 今回の原発事故の直接的被害だけでもあまりに甚大です。これからの事故からの回復は途方もない期間と巨額の費用、そして関係者の犠牲を払って行われます。さらに、こういった重大事故をおこさないための方策を万全にすることは、著しく困難です。


 私たちはそもそも原子力発電がもつ負の部分に、やっと気付いたということでしょう。事故の重大さはもちろんです。使用済み核燃料の最終処分の方法も場所も決まらず、増え続ける核廃棄物を原発構内に「野積み」している状態は、「トイレのないマンション」と言われているとおりです。二酸化炭素を出さず、エコだと言われてきましたが、実は原発には膨大な電気が必要です。原子炉冷却のために海水を使っていますが、周囲に大量の熱を放出している状態は、けっして地球に優しいとは言えません。


 当地(上越市)の市議会では、原発縮小への意見書を賛成多数で採択しました。福島県知事は脱原発を明言し、各地の議会でも同様の動きがあります。急に原発をとめることは無理かもしれないけれど、徐々に原発を少なくし、最終的にはなくしていく方向に日本も世界も進み始めました。


 もしかしたら日本はすぐに「脱原発」社会になるかもしれません。現在定期点検中の原発を再稼働させるためには自治体の了解がなければできません。安全性に関して、地域の住民に責任をもてる自治体があるでしょうか。来春には現在稼働中の原発も定期点検のために操業を停止します。


 首相が思いつきで一部の原発を止め、再稼働への議論を「先延ばし」している間に、日本はエネルギー革命をおこしそう。案外「日本的脱原発」の実現は近いかもしれません。



●お知らせ


○高校2年生女子に対しての子宮頸がん予防ワクチン接種が再開されています。接種希望者は対応いたしますので、ご連絡下さい。


○【予告】医院は恒例の夏休みを8月12日(金)~15日(月)にいただく予定です。わたぼうし病児保育室は通常どおりです。



●感染症情報


 インフルエンザの流行は6月末でようやく終息しました。元々B型インフルエンザは春先に流行しやすいのですが、5~6月にこれだけの大流行になったことは過去にはなかったことです。半年もしないうちにきっとA型インフルエンザの流行が始まることでしょう。


 感染性胃腸炎の発生もほとんど見かけなくなりました。これからの季節は食中毒が発生しがちです。食品の衛生管理などにも十分注意をしていて下さい。


 溶連菌感染症はまだ多く発生しています。咽頭炎をおこし、喉の痛みや発熱が見られます。抗生剤による治療が必要です。


 水ぼうそう(水痘)の発生数は多めです。おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は少なくなりました。いずれもワクチンによって予防できる感染症です。まだかかっていない方はぜひ受けて下さい(任意接種)。


 りんご病(伝染性紅斑)が全国で多くなり心配されていますが、当地域では少数の発生です。

 

 風疹が5月に当地のある職場で集団発生しました。成人男性のみの発症で、その後、小児や成人女性での続発の情報はありません。


 夏かぜがしだいに多くなってきました。発熱だけの軽いものから、強い咽頭痛があるものまで様々です。手足口病も少しずつ増加中。今後の情報に注意をお願いします。