1997年1月号(73号)

元旦は、雪国には珍しい穏やかな日和。何か得をしたような気分です。このまま、冬の間も良いお天気が続くといいのですが。

三が日で、お天気の悪かったのが3日。この日は休日診療所にいたのですが、患者さんの数がぐっと減少。12月1日の勤務のときも、前日からの大雪で、過去最低タイ記録をマークした実績があり、しばらく「雪男」と呼ばれそうです。(次回勤務の2月11日はどうなるかな?)

年末にインフルエンザが大流行

年末にインフルエンザが大流行しました。まだタイプがはっきり分かっていませんが、どうも 香港型のようです。 度以上の高熱が3日ほど続き、頭痛、関節痛、筋肉痛、だるさが強く、吐き気を伴うこともあります。咳や鼻水はあとからでてきます。

1人ひとりの患者さんをみて、インフルエンザだと診断できるわけではないのですが、症状のでかたや流行の様子などから判断しています。

インフルエンザに特効薬はなく、症状を和らげるようにお薬を使いながら、数日安静にして峠の越えるのを待ちます。でも時に重症になったり、合併症をおこしたりしますので、バカにはできません。心配なのは、老人の方、もともと慢性の病気を持っている方、妊婦さん、そして年齢の若い乳幼児です。

予防接種を除いては、確実な予防法がありません。こまめにうがいや手洗いをする、流行しているときは人混みにでない、早めにマスクをする、食事や睡眠に気をつける、などを注意していてください。

それにしても、12月の下旬の外来があまりに混雑し、大変ご迷惑をおかけしました。あれほどの混雑は、当院始まって以来。まさに戦場のような状態でした。待ち時間も長くなり、診察や説明も不十分だったと思いますが、それに耐えて下さった患者さんに、感謝しています。

この冬の流行がこれで終わってくれればいいのですが、将来、同じ様な大流行がおきることも十分考えられます。

インフルエンザの予防はワクチンで

インフルエンザ・ウイルスは、たえず形を変えて、流行してきます。以前に似た形のものにかかっていれば、ある程度免疫があるので、さほど重症にはならずにすみます。しかし、全く新しい種類のものでは、すべての人がかかる可能性があります。

一説では、新種のウイルスでは、地球上の全人口の4分の1がかかるといわれています。地球レベルでは15億人、日本人だけでも3,000万人もの数になります。当然、死亡数も相当になると考えられます(1918年のスペイン風邪の大流行では、全世界で6億人が感染し、2,000万人が肺炎などで死亡しました)。

インフルエンザの流行予測は、最近は精度が高くなり、それに基づいて作られるワクチンも「効きの良い」ものになってきました。新種のウイルスの出現については、かなり神経質になっていて、もしその兆候があれば、ただちに新しいワクチンを作るよう、世界中で用意をしています。

欧米では、主に高齢者のために予防接種を進んでおこなっています。しかし、日本では、行政の対応も、一般の方の関心もそれほど高くなく、数年前に集団接種がなくなって以来、接種率はぐっと下がっています。このようは状況で、もし、人類がこれまでに経験したことのない新種のウイルスが現れたらどうなるか、心配です。インフルエンザの流行を、社会の大きな「危機」と考えて、その対応(危機管理)をしておかないといけないように思います。

ちなみに、欧米での「緊急時のワクチン接種計画」では、第1に対象になるのが医療従事者と高齢者です。どんな状況になっても、医者は生き残って働け(?)ということでしょうか。

私ごとですが、年末の最後の2日間はインフルエンザにかかり、38度ほどの熱があったのですが、仕事を休むほどではありませんでした。これも、ワクチンを受けていたおかげです。(風邪をひいた時は、ゆっくり休みましょうと言ってはいるのですが・・)


昨年は、医院の増築や院内調剤への変更など、忙しい年でした。今年は丑年。ゆったりとした、大きな歩みを大地に残していきたい、と願っています。

もっとも、牛にまつわる話で、昨年のような「O-157」の騒動はモーご免こうむりたいと思います。

皆さんには、大きな病気をすることなく、元気に一年を過ごされるようお祈りいたしております。