1997年7月号(79号)

うっとうしい梅雨空が続いています。

神戸の小学生殺害事件の犯人が逮捕され、ほっとしたのもつかの間。顔見知りの中学生の犯行と分かり、暗澹たる気持ちになりました。特異な事件ではあるけれど、事件の深層にある子どもの心理、社会の問題もしっかりと見つめていかければならないと思いました。

院長がテレビ生出演--医院から中継

先月、新潟テレビ 「いきいきワイド」で、健康保険法の改正について、院長が解説しました。特に、追加の薬剤負担が複雑で、様々な問題をもつため、実際の薬を例に出しながら説明しました。

同番組は、以前も「院内調剤」や「インフルエンザ・パニック」の話題で、院長が出演したことがありましたが、今回は急な依頼で、医院からの生中継でおこなわれ、約25分ほど、スタジオからの質問に答えながらお話ししました。

新潟から中継車とスタッフ10名ほどが来て、処置室や薬局を急ごしらえのスタジオに変え、打ち合わせも終り、いざ本番。結構緊張しました。

初めて分かったのですが、スタジオからの音声や映像が1秒ほど遅れてイヤホンに届くので、受け答えがトンチンカンになりそうで、あわてました。自分の声も遅れて聞こえてくるので、それに気をとられると、何を話しているのか、分からなくなります。

ともあれ、分かりやすかったと好評で(?)、大役を果たせ、ほっとしました。でも、疲れましたね。

9月から健康保険法が改定

先の国会で、健康保険法等の改定がきまり、この9月から、患者さんの負担がいろいろと増えることになります。

小児科で関係のあるところでは、6歳以上のお子さんや大人の方に、新たな薬剤負担が生じます。内服では、1種類は0円、1〜2種類が1日分30円などと、種類数と日数によって計算されます。前号でお話した衆議院段階の「修正案」にくらべれば、1回いくらということではなく、日数による負担になったこと、6歳未満はとらないことから、懸念していた「小児医療での過重な負担」はある程度避けられました。

しかし、すでに家族は3割の負担をしているのですから、6歳以上の方には薬剤についてさらに上乗せの負担をいただくことになります。さらに、「1日分で205円以下の同じ形で同じ飲み方をする場合には、何種類あっても1種類とする」というルールがあり、受け取る薬の数と、薬剤負担の種類数が一致しません。また、粉や水の薬では、中に何種類入っているか分からないなど、窓口で患者さんに納得していただけるか、心配です。

この改正は、内容は複雑、あいまいで、コンピューター処理は難しいといわれています。会計事務が繁雑になり、事務量も大変増大しますが、医療機関にとっては、1円の収入も増えず、諸経費は全て持ち出しです。(当院でも、処理能力の大きいコンピューターに入れ替えるため、数百万円の出費がかかります。)

今回の改正は、医療保険の仕組には一切手をつけず、とりあえず、患者の負担増で当面の財政危機を乗り切ろうということです。すでに、来年度はどうするか、議論になっていますが、しかし、根本的な改革にはほど遠い現状です。

乳幼児医療費の助成制度の今後

健康保険法等の改正が決まりましたが、県内で新たな問題が出ています。それは、乳幼児医療費の助成制度をどうするか、ということです。

新潟県の制度は、老人医療の負担方法をそのまま使っているので、外来は現在の月1回1,200円の負担から、「1回500円を月4回まで」に自動的に変更されます。(入院では、1日710円の負担が一挙に1,000円に引き上げられます。)受診が月1回では負担減ですが、2回でほぼ同額、3回以上は確実に負担増になります。(現在、窓口負担がゼロの都道府県が約3分の2あり、負担の額では新潟県が最も多い。)

さらに、老人医療では追加薬剤負担が加わり、6歳未満ではとらないこの負担を、0歳の子には算定するという、矛盾した事態も予想されます。

今回の法改正では、乳幼児の医療費の枠組みも窓口負担も一切変りなく、助成内容を変更する必要はないはずです。

そんな趣旨の意見を新潟日報に投書しました。現在、医師会、小児科医会、保険医会などを通じて要請していますし、県議員にも働きかけています。ここ2ヵ月程でどのような結論がだされるか、見守っていきたいと思います。