塚田次郎著

新潟日報夕刊「晴雨計」(2)


小児科はヘンなところ

(2004年11月11日)


 小児科はちょっとヘンなところ。あまり病院らしくありません。

 当院の外観はちょっとしたお城のよう。医院の中もかわいくデコレーションされ、子どもたちの大好きなフィギアやぬいぐるみが所狭しと置かれています。おもちゃもいっぱい、壁にはカラフルな絵、テレビは一日中アニメの番組が流れています。

 まるで保育園か、どこかのアミューズメント・パークのように見えるかもしれませんね。でもれっきとした小児科医院です。

 もっとヘンなのが小児科医です。私は白衣の代わりに人気アニメのキャラクターがプリントされたトレーナーを着ています。下はジーンズにスニーカー。47歳の私が、いい歳をして何という恰好なのでしょう。話し方もお姉さん言葉(?)。子どもからは「ジロー先生」って呼ばれることも。

 でもそれは子どもたちと良い関係になりたいと思っているから。病院や医者は子どもにとってはコワい存在。小さい子は泣きだしたくなるでしょうし、大きな子どもは萎縮してしまいがちです。

 子どもたちが嫌がらず、リラックスした気持ちで過ごしてもらうために、いろんな工夫をしているというわけです。

 時には注射などの痛いこともしなくてはいけませんが、それもその子の病気を治すためですし、その子のことを思ってしていること。そんなメッセージを子どもたちに伝えるようにしています。

 小児科というと、患者である子どもたちが自分のことを話してくれないから大変だと思われがちですが、必ずしもそうではありません。温かい雰囲気の中で、優しく寄り添ってくれる医者や看護師がいれば、子どもたちは自然と自分のことを表現してくるものです。

 小児科は子どもたちが主人公の場。しかも具合が悪いときに来るところ。傷ついた体と心を癒すには、心地よい環境を用意してあげる必要があります。

 小児科と小児科医がちょっとヘンだという理由が分かっていただけたでしょうか。

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