塚田次郎著

新潟日報夕刊「晴雨計」(4)


小児科医はナビゲーター

(2004年11月25日)


 子育てって、大変だと思います。赤ちゃんが生まれたその日から始まり、最初のころは一日の大半を赤ちゃんのために費やします。昼も夜もなく、日曜や休日もありません。親の都合もきいてはくれません。

 右も左も分からないような状態から子育てはスタートします。ミルクや離乳食のこと、オムツかえや入浴のこと、発達や発育のこと、健診や予防接種のこと・・全てが新しいことかもしれませんね。そしてときには病気をし、心配しながら心細く夜を過ごすこともあるでしょう。

 子どもがゼロ歳なら、親もまだゼロ歳なのですから、何も知らなくて当然。赤ちゃんが少しずつ発達するように、親も少しずつ親らしくなっていけばいいのです。そして、親としての成長は実は人間としての成長であることに、きっと気づいてくれることでしょう。

 小児科医は、そんな日々の子育ての中でお役にたてるはずです。病気のときはもちろんですが、赤ちゃんの健診や予防接種のときにも小児科医が関わっています。子育てをいつも支えているのです。

 子育ての途中で、どちらに進んでいけばいいか分からなくなることもあるでしょう。今の世の中、情報の量はとてつもなく多いのですが、その中で何が正しいか、どんなことを大切にしていけばいいか、なかなか判断できません。そんな「情報の洪水」の中でおぼれないように、道に迷わないように、私たち小児科医が進むべき方向を指し示したり、次の目的地までの見通しを教えることができます。

 小児科医は「子育てのナビゲーター」。子育てを代わることはできませんが、子育ての所どころで地図を開き、「こっちだよ!」と方向付けすることはできます。親御さんには、小児科医のアドバイスに耳を傾け、安心して子育てにとりくんでもらえれば嬉しいです。

 でも、ナビ役が古い地図をもっていてはいけません。間違った道をおしえてしまうかもしれません。たえず新しい知識を勉強しておくのも、小児科医の務めです。

 そして、親御さんも自分の力で考え、進んでいく勇気と知恵をもつことができれば、きっとすばらしい子育ての体験ができることでしょう。

 さあ、小児科医と一緒に、子育ての道を楽しみながら一歩ずつ進んでいきましょう。

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