塚田次郎著

新潟日報夕刊「晴雨計」(6)


病児保育を知っていますか?

(2004年12月9日)


 働きながら子育てをしていて一番大変なのは、子どもが病気になったときではないでしょうか。保育園にあずけるわけにはいかず、急に仕事を休むわけにもいかない・・そんなときに頼りになるのが「病児保育」です。

 病児とは病気をしている子どものこと。具合の悪い子を専門にあずかるのが病児保育室です。まだ数が少なく、始まったばかりの子育て支援事業です。

 私の医院にも併設されています。「わたぼうし病児保育室」です。三年前、医院二階で細々と始めましたが、利用者が多くなり、今年二月に新しい園舎を造り、今は定員六名、保育士三名の体制。今年度の利用者は一日あたり四・三人と、いつのまにか全国有数の規模になっていました。

 子どもの病気は、たとえば夜になって突然に熱を出すなど、急に始まるのが普通。受診したり、園を休ませるのも急。子どもの病気に予定はありません。

 子どもの急病を理由に職場を休めればいいのですが、なかなかできません。責任をもって仕事をしていればなおさらのこと。つまり、病児保育は急に具合の悪くなった子にこそ対応が必要です。だから依頼があれば必ず受け入れます。

 ときには定員を超えることもあります。そんな日は医院の職員も総動員。これまで一日最高十人のお子さんをおあずかりしたこともあります。その逆に利用者ゼロの日もあり、運営は「その日暮らし」。それでも臨機応変に対応できるのは、当院の施設が完全に民間だからです。お役所仕事ではなかなかできないですね。

 経営は大変です。市町村の事業であれば補助がありますが、当院にはそれがありません。経費の大半は持ち出しです。

 しかし、病児保育をやめるつもりはありません。困っている親御さんを助け、元気になっていく子どもたちの姿を見ることができるなんて、お金にはかえられませんから。小児科医にとって、病児保育は最高の子育て支援策なんだということを、日々実感しています。

 共働きや一人親で大変な子育てをしておられる皆さん! 病児保育室が近くにあればどんなにか心強いことでしょう。かかりつけの小児科医や市町村に大いに働きかけてみて下さい。

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