塚田次郎著

新潟日報夕刊「晴雨計」(11)完


ネット時代の子育て支援

(2005年1月27日)


 私が開業するときに心に決めたことが一つあります。それは「病気や健康についての情報を分かりやすくお伝えすること」でした。毎月1回患者さん向けに新聞を出し、感染症の流行情報を伝え、病気の知識をリーフレットにまとめたりと、いろんなことをしています。主に院内での簡易印刷で作っているのでお金をかけていませんが、その分「旬」な情報提供が可能です。

 しかし、今やインターネットの時代。時流に乗り遅れまいと5年前、ホームページを作りました。現在ではとても多くの方に利用してもらっています。

 ご質問に答えるコーナーもあり、毎日何通かのメールが寄せられています。年間に約千通、累計で5千通ほどになりました。一番多いのは病気についてで、私も勉強が欠かせません。育児や栄養に関しては、医院の助産師や栄養士からの助言も書き添えています。

 ときどき心配になることもあります。育児に疲れたママが深夜に送信してきたメールを見ると、何とかしてあげられないものかと心が痛みました。虐待しそうだと書いている方には地域の保健師を紹介し、その結果、危機を脱出できました。海外からも質問をいただきます。言葉が不自由で不安になるのでしょう。

 今の日本社会は、いろんな意味で曲がり角にたっています。これまでの価値観ややり方が通用せず、新しいものを模索しているのですが、なかなか簡単には解決していきません。育児もそうです。核家族が多くなり、社会の中で孤立する傾向にあります。情報の量は多いのですが、何を信頼していいのか分からないという混沌(こんとん)とした状況です。そんな中で、インターネットという手段を介して、日本中の子育てを多少なりとも応援できていることを嬉しく思っています。

 今は大変でも、いずれ子育てをして良かったと思えるように、そして子どもたちが生まれてきて良かったと思えるようになるといいですね。今の子どもたちが親になって子育てをするくらいまでは、現役の小児科医で頑張りたいと思っています。

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