塚田次郎著

患者への負担強いる医薬分業

(2001年4月)


新潟日報「窓」欄2001年4月24日掲載

患者への負担強いる医薬分業

19日付社説「広がる院外処方」では、医薬分業が急速に普及してきたことを受けて、安全な調剤業務のために「薬剤師は専門性向上を」と主張しています。現在、分業率は40%を超え、大病院でも院外処方せんを発行するのが普通になってきました。しかし、医薬分業が患者さんを本当に幸せにしているのか、疑問に思っています。

かかりつけ医と同じように、患者が「かかりつけ薬局」を持つことが期待されていますが、現実はどうでしょうか。多くの調剤薬局は、医療機関に近接する「門前薬局」です。一軒の病医院について一軒の薬局があり、患者は受診する医療機関の数と同じだけの薬局を訪れています。

医薬分業では、病医院から外にでて、もう一度薬局へ行きます。経済的負担が増えるだけではなく、体力のない老人や、急性疾患で具合の悪いことが多い小児などにとっては、その肉体的負担は決して少なくありません。雨や雪などのときには、いっそうです。

薬剤師による安全な調剤業務は必要ですが、それを院内で行う仕組みがなぜできないのでしょうか。日本の医療行政は「院内処方切り捨て」「医薬分業優遇」へ大きく舵を切ったままです。医療の中心にいるはずの患者さんが取り残されていることに、危惧を憶えています。

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