塚田次郎著

病児保育室開設までの紆余曲折
−とくに自治体、医師会との関係−

(2001年10月)


病児保育協議会10周年記念研修会、2001.10.27-28

 当病児保育室が現在抱えている運営上の問題や課題は、おそらく他施設と同様であると思われますので、ここではあえて「開設までの経過」について、話題を提供いたします。
 当室は本年6月12日に開設されたが、そこに至る過程にはいくつかの屈折がありました。上越市にはすでに市営の病後児保育施設が2か所あり、当室は市内で3番目の開設になります(県内では4番目)。公設公営の施設がすでにあるわけで、一見すれば、経営的困難さを負ってまで民間で設置する必要はないようにも見受けられるでしょう。
 実は当院で病児保育室開設についての検討が始まったのは、市立の施設が作られるより前にさかのぼります。1990年(平成2年)開院以来、次第に地域の中に定着し、日常の小児医療を担当するだけではなく、次の課題として「子育て支援」の大切な柱である病児保育にも踏み出そうと考えていました。
 本協議会の資料などを参考にしながら検討していましたが、経営的な問題をクリアーするためには市とのタイアップが必要と考え、非公式に協議をしました。残念ながら、市や医師会の判断は公的な医療機関が関与するべきであるというもので、当院での設置には至りませんでした。
 しかし市営施設の実績を見る限り、残念ながら市民に十分に浸透してきているとは言い難い状況です。(理由としては、病気の急性期は対象外であること、小児科医が病児保育に関わっていないこと、かかりつけ医との意志疎通が不充分であること、などがあげられそうです。)そうであれば、当院にとって「念願」である病児保育室の併設を諦める必要はないと判断しました。同時に、自治体、医師会、他医療機関と関係をもたないことで、自由な発想と運営が可能であることに、改めて気づいたのでした(経営面を除いて)。
 今年2月に開設することを最終決断した後は全てのことが急ピッチで進み、4か月間でオープンできました。今後は、「使い勝手のよい病児保育室」を目指して、いっそうの充実を図っていきたいと考えています。

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