塚田次郎著

自家中毒

(2007年3月)


2007年3月21日付「産経新聞」掲載

【4歳になる娘のことで相談です。昨年末に嘔吐を繰り返すようになってしまい、脱水症状などで入院することになってしまいました。病院では「自家中毒」だと指摘されました。自家中毒とはどのような病気なのでしょうか。その少し前に私は第二子を出産し、妹が誕生したのですが、そのことが原因なのでしょうか。今後、どのように娘と接していったらいいのでしょうか。26歳主婦、東京都】

 「自家中毒」は「周期性嘔吐症」とも言われ、胃腸などの病気がないにもかかわらず吐きやすいお子さんに対して使われています。

 2〜6歳くらいの幼児におきやすく、心理的なストレスで吐くこともあり、繰り返しおこすのが特徴。やせ型で、どちらかというと神経質な子が多いようです。

 症状が軽い時には、甘い飲み物を少量ずつ飲ませることで良くなります。しかし嘔吐回数が多く、顔色を悪くし、ぐったりして全身状態が悪いときには点滴治療が必要です。時には入院になることもあります。

 自家中毒は心身の成長にともなって次第に軽快していくので、ことさらに心配することはありません。ただ、心因性の要因が強い場合には、お子さんの心理状態や家族関係についても解決していく必要があります。小児精神科などでご相談下さい。

 お子さんの場合には、妹の誕生により赤ちゃん中心の生活になったことが関係しているかもしれません(家族内の「主人公」の交代)。

 赤ちゃんの面倒をお父さんにお願いして、上のお子さんと二人だけの時間を過ごしてみて下さい(一緒の入浴、本読み、就眠、散歩など)。「自分は大切にされている」と実感することが、子どもの心を安定化し、成長につながっていくものです。いずれ自家中毒も解消していくことでしょう。

 これを機会に、お子さんとの関わりや家族のあり方をもう一度見直してみてはいかがでしょう。

  (「産経新聞」2007年3月21日、「体の悩み 聞いて効く・家庭の医学」コーナー掲載)

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