塚田次郎著

吃 音

(2007年10月)


2007年10月10日付「産経新聞」掲載

【3歳になった初孫のことでお尋ねします。2歳半ぐらいまであまり喋らず、心配していたのですが、こちらの言うことは理解しているようですし、最近は話し始め喜んでいるのですが、最近、吃音が出てきて心配しています。”あ”と”お”を発音するときに多いように思います。下の子が生まれて、母親も大変そうです。吃音は放置していても大丈夫ですか? 神戸市 女性 55歳】

 吃音はさかんに話を始める2、3歳くらいから始まり、とくに男子に多いようです。同じ言葉を繰り返したり、最初の音節を繰り返したり、途中でつっかえたりします。話したいことがたくさんあるけれど、それを言葉としてスムーズに伝えることができない状態です。

 広い意味では言葉の障害になるかもしれませんが、本人はそれを意識していません。周りの大人がゆっくりと話を聞いてあげるようにしていると、しだいに上手に話をすることができるようになります。

 いけないのは叱ったり、言い直させたりすること。それがプレッシャーになり、ますます緊張して、吃音がひどくなることもあります。さらに年齢が大きくなり、吃音を意識するようになると話すことをいやがったり、対人関係に恐怖をいだくようになってしまいかねません。親が神経質だったり、子どもに対して否定的だったりという養育態度が問題になることもあります。

 大切なのは親をはじめ、周りの大人たちが子どもの話を余裕をもってゆったりと聞き、子どもが緊張せず、自由に話せるようにすること。会話することが楽しいことだと経験することで、コミュニケーションをうまくできるようになるでしょう。

 お子さんの場合は下の子が生まれたことも関係しているかもしれません。この子と丁寧に関わることを、親御さんも家族の方もぜひ心がけてあげて下さい。

  (「産経新聞」2007年10月10日、「体の悩み 聞いて効く・家庭の医学」コーナー掲載)

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