塚田次郎著

検尿・検便は大切!

(2008年5月)


2008年5月8日付「ほけんニュース」掲載


 尿や便を検査すると、健康状態について多くの情報がえられます。かくれた病気を早く見つけることもできます。検尿や検便でどんなことが分かるか、お話します。

検 尿

 尿は腎臓で血液から取り除かれた老廃物で作られ、膀胱などを通して排出される液体です。尿を検査をすることで体内の様子をある程度知ることができます。

 もし腎臓の病気があると、普通は出てこないたんぱく質が出たり(たんぱく尿)、赤血球が出たりします(血尿)。

 腎臓の病気の多くはゆっくりと進行していきます。最終的に腎臓の機能が極端に低下し「腎不全」という状態になってしまうと、治療しても元に戻すことができなくなります。人工透析や腎移植という特殊な治療が必要になることもあります。

 そんな腎臓の病気を、本人の症状のない時期に早く見つけ、治療を受けることができれば、正常な働きに治すこともできるでしょう。尿検査は早期発見の手がかりとしてとても有用なのです。

 空腹時には尿に糖がでることはないのですが、朝起きてすぐの尿に糖が混じっていれば糖尿病が心配になります。子どもにみられる糖尿病は、インスリンという血糖をコントロールするホルモンが分泌されなくなる“やせ型”が多いとされていました。しかし最近は大人の生活習慣病と同じく、食べ過ぎが原因の“肥満型”もしだいに多くなってきました。

 いずれも食生活を改善したり、時には薬による治療の必要もあり、早く見つけることが大切です。

 尿検査は毎年行います。1年たつと新しい病気が見つかるかもしれないからです。一度「正常」と判定されて安心せず、毎年必ず検査を行う必要があります。

検 便

 子どもの便を検査するのは寄生虫がいないかどうかを見るためです。近年は衛生状態が良くなり、寄生虫はずいぶん少なくなりましたが、やはり検査は必要です。

 一番多いのは蟯虫(ぎょうちゅう)で、これは肛門付近に卵を産み付けるため、それを粘着性テープにくっつけて見つけるという方法が使われています。

親と子どもたちへ

 検尿や検便は体の状態を知る有力な検査ですが、それだけで本当に健康かどうかが完全に分かるわけではありません。もし「異常」があれば早めに医療機関を受診し、詳しく診てもらうように指導して下さい。

 子どもたちには、自分の体をみんなが心配しているということを教えて下さい。

 良い生活習慣を身につけてほしい年齢です。早寝・早起き、十分な睡眠、適切な食生活などと関係づけながら、検尿や検便の意味合いを子どもたちに話して下さい。

 子どもたちが健康や命の大切さを理解するきっかけになれば、これらの検査の意味はより深まることになるでしょう。

  (「ほけんニュース」2008年5月8日、少年写真新聞社発行)

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