塚田次郎著

冬に多い感染症から子どもたちを守るために

(2008年12月)


「ほけんニュース」2008年12月号掲載


●冬に多く見られる感染症

 冬場は小児科外来はとても混雑します。子どもたちの間でいろいろな感染症が流行するからです。

 もっとも多いのはかぜ症候群でしょう。のどや鼻の粘膜についたウイルスが悪さをし、せき、鼻水、のどの痛み、そして発熱などの症状がおきる感染症の総称です。

 最強はインフルエンザ。突然の発熱で始まります。寒気(さむけ)、だるさ、関節痛、頭痛といった全身症状をともない、とてもぐったりします。おとなでも身動きできなくなるほどです。乳幼児や高齢者では時に命の危険もあります。インフルエンザが「かぜの王様」と呼ばれているゆえんです。さらにインフルエンザは感染力が強力で、症状がでるまでの潜伏期も1日前後ととても短いとういう特徴があります。クラスで1人のインフルエンザ患者がでると、たちどころにクラス全体に広がってしまいます。インフルエンザの流行は毎年冬に必ずおきます。もし地域や学校などで患者発生の情報があったら、十分に警戒して下さい。

 インフルエンザをはじめとしたかぜ症候群のほかにも、冬には急に吐いたり下痢をしたりするウイルス性胃腸炎も多発します。ノロウイルスやロタウイルスなどが原因です。

 これらは人から人に感染します。吐いたものや下痢便の中に多量のウイルスがあり、周囲に感染を広げていきます。ときには感染している人から食べ物にウイルスが付着し、その食事を食べて感染することもあります。これは食中毒ですので、学校などで大きな集団発生をおこします。

●感染予防のために

 感染症の対策は何よりも予防が一番。インフルエンザはワクチンがありますので、ぜひ年内に予防接種を受けておいて下さい。

 日頃からの「手洗い、うがい、マスク」の励行もとても重要です。中でも手洗い習慣をしっかりとつけることが、インフルエンザや胃腸炎の予防に役立ちます。

 一般的なことですが、ふだんからの体力作りも大切です。感染症にかかりにくくなりますし、かかっても軽くすむことでしょう。その上で体調を整えておくように心がけて下さい。生活リズムを整え、とくに睡眠時間を十分に。夜更かしは厳禁です。食事のバランス、衣服や室内環境(温度、湿度、換気)の調整などにも注意していて下さい。

 そしてもしかかってしまったら・・無理をせず、早めにたっぷり休むことです。症状を重くせず、早く回復するでしょうし、他の人に移さないですみます。かぜ症状のある時はマスクの着用を忘れずに。咳をする際に口をおおったり、人のいない方に顔をそらせるという「咳エチケット」を心がけて下さい。

 どうしても冬は感染症が流行しやすいもの。「かからないように」「かかっても軽くすませるように」「広げないように」・・これらが感染症から子どもたちや社会を守る大切な心構えです。

 (「ほけんニュース」2008年12月、少年写真新聞社発行)

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