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院長ブログ

嬉しかったこと

☆嬉しかったこと

今日は市内の学校保健関係の講演会に参加。
小児精神がご専門の精神科医、明橋大二先生のご講演を拝聴しました。

今日のテーマは「ひといちばい敏感な子の理解〜学校でできる支援〜」。
「ひといちばい敏感な子」というのはHSC(highly sensitive child)、またはHSP(highly sensitive person)。
とても敏感で、集団生活が苦手。
どちらかというと、学校生活ではお荷物とされてしまいそうな子どもたちです。
5人に1人はいるとのこと。
決して珍しくはありません。

生まれつきの性格であり、その育ちの中で自己肯定感が育ちにくいようです。
明橋先生は、子育てや日々の対応にあたってどんなことを注意して欲しいか、具体的に説明されました。
特に、自己肯定感を高めるための取り組みは、意識してしっかり向かい合っていく必要があるのだと思います。

ご講演の最後に、私が一番聞きたかったことをお話ししてくださいました。
こういった講演をすると、学校の先生方から、一部の子どもを特別扱いはできない、という発言がよくあるのだそうです。
それにたいしてのお話です。

HSCの子どもがいやすくなるような学級運営をすることが、ほかの子どもたちへもとても大切なことなんだというのです。
例えばHSCは大きな声で叱られている様子を見ることが苦痛です。
ほかの子どもたちは、じっと我慢していても、その子たちにとっても、そんな場面は適切なものではないはず。
HSCの子どもが怖がらずにいられるような話し方をすれば、ほかの子どもたちも受け入れやすく、自己肯定感を高める役に立つということです。

なるほど、と思いました。
ふと、今の生きづらい社会にも同じことが言えるのだとも感じました。
少数の意見を大切にせず、多数の意見や強権的な権力で物事を推し進めている。
新型コロナのこともあり、余計に閉塞感が漂っています。

みんなと違う意見をもつ人を大切にする。
その中から、また新しい社会の進歩もうまれてくる。
そんな多様性のある社会こそ、私たちが生きやすいことでしょう。

ある意味では当たり前のことだと思うのですが、それが通らない。
無理筋が幅を利かせている。
困った社会です。

明橋先生がここまで考えているかどうかは分かりませんが、私は社会のあり方にまで考え及んでいました。
講演の最後での質疑の際、率直にそのことをお話しさせていただきました。
そんなことに触れていただいたことが最も感銘深かったと。

腹たしいことややるせないことが多々起きている世の中です。
先生の講演をお聞きし、そんな社会に対してどんなふうに向き合っていけばいいのかを考えるヒントをいただきました。
そして、ちょっとだけ勇気も。