院長ブログ
停電、その後(1)
医院を突然襲った停電(わずか数分でしたが)。その経験から気づいたことがいくつかありました。
1つは、アラームの発報がなかったこと。もし無人の時に停電になると、保冷庫の電源喪失から、中の医薬品がダメになることも懸念されます。特にワクチン類は厳密が温度管理が必要。異常な温度上昇があれば、そのワクチンを廃棄しなくてはいけません。
現在、保冷庫の中には、おそらく百万円を超えるワクチンが入っています(インフルエンザ予防接種の時期になるとその数倍にも)。それがダメになったら一大事。
停電によって保冷庫の電源喪失が起きたら、それを私や職員の携帯電話に連絡するシステムを作ってあります。また庫内の温度が異常上昇した際にも連絡が入ります。
でも、今回の停電時にはそのアラームが発報されなかったことに気づきました。試しに、停電が解消している状態で保冷庫のコンセントを抜いたらちゃんと発報されます。
どうも、全館の停電と同時に、アラームを発報する器械も停電し、お休みしてしまったようです。
中を開けてみると・・充電池が入っていますが、その接点がやや腐食し、いかにも古くなっているよう。きっと充電器の劣化によって、一緒に停電状態になったのでしょう。
このシステムの設置をし、定期点検をしてくれている業者と連絡を取りました(1週間前に消防設備の点検に来たばっかりなのに)。推測の通り、充電池が働いていない状態だということです。
であれば、この充電池を新しいものに換えればすみそうですが、残念ながら生産されていません。さらに、器械そのものもすでに生産停止とのこと。
ネットで調べると2010年に製造中止になっています。つまり、少なくとも10年以上の間、充電池について点検されていなかった、ということになります。
一般に電池の寿命は4、5年だとか。そうすると、寿命をはるかに超えていたわけです。もしかしたら、何年も前にすでに「死亡」しているにもかかわらず、誰もそれに気づかず、「ミイラ」状態として器械の中に鎮座していただけだったのかもしれません。
業者の点検マニュアルに、この充電池が入っていないのでしょう。業者さんには、改善するように話しました。
定期点検時に、充電池の能力が十分であることを確かめる。規定の年数(5年くらいかな)が経過したら、新しいものに交換する。
当院だけではないはず。他にも同様の機器を使用している顧客に対しても、同じだよと話したのですが、ちゃんと通じたかな。
仮死状態?の発報装置ですが、全体をすぐに新しいものに交換するのは大変。どうも当時とは規格が違っているので、大幅な工事になりそう。日数とお金がかかります。
そこで業者から提案されたのは、この装置に無停電電源装置をつけ、それで停電時にも生きた状態を作るということです。それならすぐに解決しますし、費用もさほどかかりません。
さっそく、当院でいつもお願いしている電気屋さんに依頼しました。来週にでも工事は完了するでしょう。
これで一件落着に。でも、他にもまだいくつかトラブルがありました。それはまた後日お話しします。
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