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院長ブログ

起きてはいけない事故(事件)

3歳の女の子が、幼稚園への送迎バスに取り残され、死亡しました。
炎天下の車内で数時間。
熱中症。
この子がどれほど辛い状況の中で、意識がなくなり、命を落としていったのか・・
それを思うと、胸が締め付けられます。

昨年も同じようなことがありました。
一緒にニュースを見ていたある人が、昨年のニュースをまた放映しているのかと勘違いしたほど。
こんな事が、いつまで続くのか。
何人の子どもたちが亡くなればすむのか。

責任は直接的には運転手と同乗していた職員にあることでしょう。
そこは降車時の点呼(車内の見回り)をしていれば起きることはなかったはずです。
厳しく責任を問われることになるでしょう。

でも、それと同様に、この子の担任は何をしていたの?
いや、何もしなかったの?

受け持ちの子どもが登園して来なければ、おかしいと思うはず。
親からきちんと連絡が入り、欠席の事由や状況が分かっていれば問題ないけれど。
今回は明らかに「無断欠席」。
保護者に、今日はどうしましたか?って連絡をすれば、事態が分かったはず。

そんなことは、受け持ちを持っている担任としては当然のはず。
それをしなかったのは、どうして?
園としての管理体制がいい加減だったとしか思えない。

運転手などを庇うつもりはないが、でも勘違いや間違いは起きてしまうもの。
そのことを前提に、子どもの安全が機能するようなセーフティーネットを作っておかなければ。
それって、難しいことじゃないですよ。

電話1本で、この子の命が救えたはず。
刑事責任は問われることはないかもしれないけれど、でも、子どもたちの教育や保育に携わる職業人としての倫理的責任は免れないと思う。

こう言った事故(事件)が起きるたびに、私は同じことを言っている。
それが伝わらないことに、もどかしさも感じている。

起きなくても済んだ事故。
失われなくて済んだ命。

虚しさがつのります。