院長ブログ
さようなら、歩道橋
高田公園の近くにあるこの歩道橋は、今日をもってさよならすることになりました。設置されてから55年が経つそうですが、使命を終えたということです。
当時、国道18号線の交通量がとても多く、きっと子どもたちの通学時などの交通事故を避ける必要があったのでしょう。その後国道は別にバイパスができ、ここは県道に。「上越大通り」の名前の通り、上越市を北から南まで貫く主要な道路になりました。
交通量はきっと当初より少なくなってきたのでしょう。また、交通事故の件数は全国的にも少なくなり、通常の横断歩道でもある程度安全が確保されるようになったのではないかな。
実際にこの歩道橋を利用している人たちは、多くはないようです。毎日のようにここを通りますが、歩道橋上に人影を見かけることは少ないです。
近くに小学校がありますが、通学路として歩道橋は指定されていないのかも。今日の下校時に見ていましたが(不審者ではないですよ)、子どもたちはみんな歩道を渡っていました。
それと、55年経つと施設としての劣化が進んでいるのでしょうね。そのためのメンテナンスもしているとは思いますが、費用対効果も考えると、今後も維持していくのが大変になってきているようです。
55年前というと、私は10歳。同じ市内にいても、この歩道橋を渡った記憶はあまりありません。同じ市内に住んでいましたが、子どもの行動範囲にはなかったからなのでしょう。
周囲の環境もずいぶんと変わってきました。この歩道橋の東には高田図書館がありました。道路の反対側には県立中央病院があり、私が開業した時(32年前)はまだ古い建物を使っていました。その後に移転新築し、その跡地は郵便局が入り、今に至っています。
歩道橋の西側は榊神社ですが、これは昔からの姿をそのまま残しています。高校時代は通学時にこの境内の中をよく通っていましたが(ショートカット)、雪が降った後の松林が水墨画のようで綺麗だったのを覚えています。でも、やっぱり歩道橋は利用していなかったな。
全国で、古くなった歩道橋を撤去する動きが盛んだそうです。歩道橋は歩行者にとって安全ですが、でも利便性は劣ります。健康な人でも階段の上り下りは大変ですが、ハンディキャップを持っていればなおさら。
歩道橋の階段部分は、歩道の一部を使うことが多く、その分、歩道が狭められ、下を歩くのが不便になります。この歩道橋もそうでした。
雪が降る冬場は、雪が積もれば階段は苦労します。もし凍っていたら、滑って転んだり、転落する危険も。
半世紀ほどが過ぎ、時代が変わった、ということなのでしょう。長くに亘り、歩行者の安全のために寄与してくれた(はずの)役割に、感謝です。
あったものがなくなると、寂しくなるものです。でも、しばらくしたら、あったことも忘れてしまうかも。薄情かな?
撤去の工事は今日から3日間、夜間を通行止めにして実施されます。ご苦労様です。
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