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院長ブログ

改めて、新型コロナはただの風邪ではない

新型コロナの感染症法上の位置付けが5類になったことで、ずいぶん勘違いが広がっているように思います。あくまでも行政の扱いが変わっただけで、感染症としての新型コロナに変化があったわけではありません。

前回のブログでも書きましたが、ウイルスの性質は同じ。むしろ感染しやすさが増しているよう。まして消えてなくなったわけでもありません。

5類はインフルエンザ相当だ、という言い方も誤解のもとです。季節性インフルエンザは、その流行規模はとても大きいですし、重症者も大勢出ます。超過脂肪も相当大きいです。子どもがかかって重症化する子もいます。

かつて日本では、インフルエンザ脳症が問題になりました。毎年200人ほどの子どもたちがインフルエンザ罹患後に脳症になり、亡くなっていました。脳症についての理解が広がり、治療を的確に行えるようになり、死亡者はぐんと減らすことができましたが、それでも一定の数の脳症が発生しています。

インフルエンザ並みだ、などと軽く言ってはいけません。インフルエンザだって、重症化する可能性のある感染症です。

さらに、新型コロナは重症化率はインフルエンザよりも高く、流行の規模も大きなものがあります。新しい変異株が次々に出現し、免疫をすり抜ける力が強いために、容易にクラスターを起こします。

最近読んだものでは、新型コロナ感染後の後遺障害がとても多いことを指摘していました。

新型コロナはただの風邪だ、かかっても大丈夫だ、などとはとても思えません。やはりかからないに越したことはないのです。

ワクチンでの予防も大切。予防対策も大切。感染症の基本を忘れることなく、対応を続けていく必要があります。

当院では、これまで同様に「発熱外来」としての機能を維持しながら、診療を続けて行こうと考えています。