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院長ブログ

保険証廃止に反対!!

「マイナ保険証+保険証廃止」は日本の保険制度を潰す・・医療の現場にいてそれを感じていました。この本では、それを体系的に裏付けてくれました。

マイナンバーカードそのものが、基本的に問題あり。全ての国民はすでにマイナンバーを持っています(国から割り当てられています)。行政手続きなどは、カードは必要なく、運用されています。セキュリティーは比較的厳しく運用されています。

カードとして全国民に持たせようと考えたところから間違いが始まりました。行政手続き以外にも民間で活用すればいろんなことが「便利」になる。

そのためには「使いやすく」する必要があります。暗証番号はたった4桁の数字(今どき4桁数字を使っているのは少数派です)。他人に教えないように言われている12桁の個人番号ですが、カード裏にはしっかり印字してあります。見えないようにするために一部をマスクしたカバーが一緒に配られていますが、QRコードをスマホのカメラで撮影しようとすると、数字が読めてしまいます(ぜひ試してみてください)。これでいいの??

顔認証といっても、白黒写真としてのデータしか使っていないようです。さらに、ICチップの容量はわずか8キロバイト。メガでもなく、ギガでもなく、ましてテラでもありません(そんなに容量が要りませんが)。これって、最近国会議員への説明の中で国の担当者が明らかにしたのですが、びっくりしました。どれだけ古いIC技術を使っているか。数年後には新しいカードに変更する予定とのことですが、確かに今のままでは、時代遅れのカードになってしまいます。(使う必要のないカードなので、更新でまた膨大な税金を投入するのはやめてほしい)

そんな「使っても便利ではないカード」を、全国民に持たせるための方策が「保険証との一体化」です。昨年秋、突然出てきた施策です。すでに国には「いずれ保険証との一体化」を目指すという方針がありましたが、期日を決めていたわけでもありませんし、そのためのロードマップがあったわけでもありません。いずれそうなるといいね、くらいだったはず。

そこに突然の方針。2年でマイナカードに保険証機能を収載し、2年後には保険証を廃止する。ずいぶん乱暴なやり方です。それも担当の一大臣が決めて、突然の発表。この国は独裁国家??

そんな無理で無駄な方針は、マイナカードの普及という目標達成のために作られたもの。保険証は、マイナカード普及のための「人質」になったのです。

任意であり、希望者だけが取得していたマイナカードですが、全国民が持っている保険証の機能を持たせることで、そして保険証を廃止することで、マイナカード取得が事実上の義務となりました。こんなの、おかしいですよね。

実際にマイナ保険証を使う医療の現場では、とても使い物にならないシステムだと実感しています。使う患者さん(当院では親御さん)はごくごく少数です(1週間に1人もいない)。こんなことで来年秋、保険証を廃止したら、混乱必死です。そして、保険医療は崩壊するのではないかと、強い危惧を持っています。

国へは「保険証廃止」の廃止を求めます! これまで通り保険証の発行を続けること。マイナ保険証は、便利だと思う人だけが使えばいいように、任意のものとしてください(建前は任意のはずなのですが)。

本当に便利に使えるようになれば、実際に使う人も増えてくるでしょう。ここはぜひ「聞く耳」を持ってほしいものです。