院長ブログ
夜泣き地蔵
今朝、ある温泉街を走っていて見つけました。「夜泣き地蔵」。ひっそりと佇んでいましたよ。
元日に起きた能登半島地震のあと、夜泣きの子どもが増えています。怖かったんでしょうね。大人だって怖かったんですから、当たり前。普段しない夜泣きをする子も出てくることでしょう。
地震のあったその日の夜から夜泣きをしている子が多いですが、ちょっと違うパターンもありました。数日経ってから始まった子もいます。それもまだ小さな1歳くらいのお子さん。
推測ですが、親御さんの様子がいつもと違っているのが影響しているのではないかと思いました。大人が不安感の中で過ごしていると、いつもと違う雰囲気を子どもが感じ取ってしまう。それが夜泣きにつながっているようです。
外来でそんな訴えを聞くことが多かったのですが、まずは大人がどんと構えて、子どもに安心感を与えてほしいとお願いしました。子どもの前では地震のことなどは話さず、ニュースを見せないことも大切です。
そして「困った時の漢方」も役に立ちます。日頃、夜泣きに使っているいくつかの漢方薬があるのですが、お子さんの様子からちょうど良いなと思う漢方を処方しています。
一番使うのが「甘麦大棗湯」。甘くて飲みやすく、子どもにも好評の漢方です。シクシクと、おとなしく泣いている場合には効果があります。
でも、ギャン泣きするような子にはあまり効かないこともあります。興奮状態になるようなら「抑肝散」の方が良いようです。
漢方が良いのは、効果がしっかりとしているだけではなく、一定の期間の治療が進むと、薬をやめることができることが多いのです。
西洋薬では、薬をやめるとまた症状が復活してしまうことが良くあります。でも、漢方は体質を変えるような効果があるようです。
さて、今日のランニング途中で見つけた「夜泣き地蔵」・・夜泣きの子どもが少しでも少なくなるよう、お祈りしてきました。よろしくお願いします!
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