坐薬は飲めるか?

坐薬を「座って飲む薬」と勘違いして飲んだことがあります。大丈夫でしょうか?

坐薬の種類にもよりますが、やはり坐薬は腸の粘膜から吸収させるように作られているので、不都合がおきるかもしれません。一番多い熱冷ましの薬(解熱鎮痛剤)は、胃腸障害(胃が痛くなる、ひどいと潰瘍--かいよう--を作ることがある)をおこしやすため、坐薬で使われることがよくあります。1回だけ飲んだのでは大丈夫でしょうが、何回も続けてというのは、心配です。

中には、内服と坐薬で中に入っている薬の量がずいぶん違うことがあります。直腸の粘膜から吸収されると、真っ先に肝臓の中を通るのですが、薬の中には効果が落ちてしまうものもあります。そのため、坐薬のほうが数倍多い量が含まれているものもあり、これを飲んでしまうと、思いがけない副作用がでるかもしれません(吐き気止めの坐薬がそうです)。この逆の薬もあります。

ということで、坐薬はあくまでも坐薬。たまたま飲んでしまったぐらいでは大丈夫でしょうが、やはり注意して使って下さい。

【新潟テレビ21「いきいきワイド」の中で、「私の勘違い」として紹介されたお話に、放送局からコメントを求められ、口頭で答えたものです】

2000.2.25

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塚田こども医院Q&A2000年2月