股関節脱臼

先日の6ヶ月検診で股関節の開閉制限(+)といわれ、すぐに病院の整形外科を受診しました。レントゲンの結果、やはり異常があり、すぐにリ-メン装具をつけて帰宅してきました。(中略)先天性股関節脱臼について、これから娘との関わりについて教えてください。よろしくお願いいたします。  (上越市・Iさん)

お子さんの、健診後の経過を教えていただき、ありがとうございました。

お母さんにとっては、いろんな意味合いでショックだったことと思います。でも、すぐに装具をつけてもらったとのことですし、専門の整形外科の先生がついていてくれるので、私は安心しています。

この先天性股関節脱臼(軽いものは、臼蓋形成不全)は、原因は不明ですし、この病気にかかっていることは、偶然による仕方のないことです。

出生後の育児の方法によっては、それが悪化することもありますが、それは、著しく股関節を伸ばしていることです。お母さんが書いておられるように、W型の自然な足の形(カエル型)をとらせていればいいわけです。最近のオムツは、とくに注意をしなくても問題がなくなっています(紙オムツはみな「股オムツ」ですね。昔の布でぐるぐる巻きにした「巻きオムツ」は問題がありましたが、もうお目にかかりません)。だっこするとき、お尻の下に手を入れて、お尻に赤ちゃんの体重がかからないようにしていますね。

次の受診まで期間があり、不安だとのことですが、装具をつけてありますので、先に書いた点に注意していていただければいいと思います。装具をつけていることで、本人は不便でしょうが、周りが不憫に思うほど、つらいとか、大変だとかは感じていないはずです。もっといろんなことが出来るようになってから、運動が制限されると、「以前できたのにできない」ことがストレスになりますが、それについて経験がなく、知らないのであれば、「出来ない」ことがストレスにはなりません。

そして、お願いがあります。赤ちゃんの前では、けっして暗い顔をしないで下さい。今7か月ですね、もう人見知りをする月齢です。人の表情を読むことができます。お子さんの前で、にっこり笑って話しかければ、赤ちゃんもうれしくなって、笑い返してくれますね。でも、暗い顔、泣き顔、怒った顔をしていたら、赤ちゃんは悲しくなってきます。赤ちゃんもきっと大変でしょうが、ここで「お母さんの優しい顔、うれしい顔」まで失ったら、そのことの方がずっと大変ですし、不幸です。赤ちゃんの前では、いい顔をしていて下さいね。お願いします。

また、心配なこと、分からないことなどありましたら、メールなど下さい。では、赤ちゃんの回復を祈っています。

キーワード:股関節脱臼

2000.7.3

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塚田こども医院Q&A2000年7月