赤ちゃんの目やに |
乳児期によくかかることのある、目ヤニについて教えてください。 (長野県・Tさん) 結膜炎はよくみる病気で、小児科でも風邪などでかかったときはいっしょに治療しています。いろいろなものがありますが、一番多いのは、細菌による急性結膜炎。ブドウ球菌などが入り込んでかかる感染症で、黄色い、べっとりとした目やにがでます。このほかには、ウイルス性の結膜炎(プール熱=咽頭結膜熱や、はやり目といわれるものも含みます)、アレルギー性の結膜炎などもあります。 乳児でよく見られるのは、細菌性結膜炎です。繰り返しかかる赤ちゃんも少なくないのですが、とくに生後半年ぐらいまでは、鼻涙管(目尻から鼻につながっている管で、涙の出口)が詰まっているためにおきていることがあります。「先天性鼻涙管閉塞」と呼んでいる状態ですが、管がないわけではなく、この細い管が、粘液状のものでつまっています。涙が出ていかないので、そのまま残っていて、いつも「涙目」になってしまい、さらに不潔になるために細菌感染をおこしてしまうわけです。抗生物質の目薬を使うと、数日で良くなります。繰り返しおこしてしまいますが、そのたびごとに目薬を使っていると、しだいにおこさなくなっていきます。生後半年ぐらいで、この鼻涙管がちゃんと機能するようになるからです。 (以前は、眼科の先生に、細い針金のようなブジーを通すという処置をしてもらうこともあったのですが、最近はあまりしていないようです。) よく「逆さまつげ」のために結膜炎をおこしているのではないか、と質問を受けることがあります。確かに、まつげが眼球の表面にべっとりと付いている子を見かけますし、それがきっかけとなって結膜炎になったような時もあるかと思います。しかし、まつげの生える場所が、異常に内側になっているような、本当の「逆さまつげ」はまれです。赤ちゃんはぽっちゃりしていて、目の周りの皮下脂肪も多めなので、まつげの生えている皮膚全体が、眼球に向かって落ち込みやすい状態になっています。眼球にくっついているまつげがあれば、きれいなガーゼなどでそうっとはがして下さい。でも、けっしてまつげを抜かないように。抜いてしまうと、次は固い毛が生えてきて、かえって眼球を傷つけることもありますので。 赤ちゃんの結膜炎については、こんなふうに考えています。 キーワード:乳児の結膜炎、先天性鼻涙管閉塞 2000.9.20 |
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