赤ちゃんと暖房

先日、NHKのすくすくネットワークと言う番組で、赤ちゃんが寝る部屋はあまり寒いのはよくないので、ある程度の室温を保つようにしたほうがいいと小児科の先生が言っていました。赤ちゃんと私が寝る部屋はオイルヒーターなどで、少し暖かくしておいた方がいいのでしょうか?なにしろ布団が足にかかるだけで嫌がって跳ね除けてしまうので、今でも寝冷えをしないか心配なくらいなのに…。(新潟・Yさん)

赤ちゃんのいる部屋の暖房ですが、今、日本の居住環境で、ことさら注意しなければならないことは、とくにないと思います。以前の家とは違って、寒い地方でもちゃんと暖房が入っていますし、暑いときには冷房で調整もできます。いっしょにいる大人が心地よいと感じる程度にしておけばいいのです。

暖房の種類としては、部屋の空気を汚さないものがいいですね。オイルヒーター、エアコン、FF式ヒーター(強制排気)などがそうです。それでも、人が生活をしている限り、空気は汚れてきますので、かならず換気を忘れずに・・。

NHKのお話ですが、あまり現実的ではないようですね。気にしないで下さい。大人が過ごしやすい時には、赤ちゃんも気持ちがいいものです。

「布団が足にかかるだけで嫌がって跳ね除けてしまうので、今でも寝冷えをしないか心配なくらいなのに…。」とありますが、それは暑いからです。寒ければ絶対に抜け出そうとはしません。とくに寝入りばなは、大人がジョギングをした直後と同じくらいに、暑がっています。(子どもは代謝が盛んなので、静かにしているときでも、大人の軽い運動時と同じ程度の熱を放出しています。)

寝入りばなは、あまり着せすぎたり、布団を掛けすぎないように。そのあと、手足が少しひんやりしてきたら、軽くもう一枚掛けてあげて下さい。でも、途中で抜け出すかもしれませんね。そんなときは、暑がっているのですから、お布団の中の空気をいれかえたり、涼しくなるまで手足を出してあげて下さい。

ただし、子どもは「一方通行」でして、暑くてお布団を抜け出すことはできても、寒くなって元に戻ることはできません。そのままでいると、かいた汗が災いして、風邪をひいてしまうきっかけになることも
あります。いつも抜け出す子は、お布団を掛けすぎていたり、衣服を多く着ていたり、部屋の暖房が効きすぎているのではないかと考えて下さい。寒いぐらいにしておけば、絶対に抜け出ません。

お布団のことでもう一つ。冷たいお布団に潜り込んで、自分の体温で暖めるのが一番良いのです。雪国には「布団乾燥機」が売られていますが、あれはお布団を日に干せないために、その代わりとしてあるものです。使うのは、朝起きてからお昼頃まで。それで、夜に吸いとったお布団の湿気をとばしてくれます。
あれを間違って使っている方が多いようです。寝る前に使って、暖かい御布団に寝かせてあげようという、親心は分かるのですが、子どもにとっては余計なことです。まして、電気毛布はもってのほか・・

キーワード:赤ちゃんの暖房、布団乾燥機

2000.10.9

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塚田こども医院Q&A2000年10月