大人の水ぼうそう

YFの父です。今回は子供ともどもお世話になりました。この年で水疱瘡になるかもしれないとは思ってもみませんでした。(中略)もし、私が水疱瘡になったら内科に行かなくてもいいのでしょうか?? ほっといても治るならいいのですが、、、、。あと、大人で水疱瘡になると子供と違ってどんなことで大変なのでしょうか?? (上越市・Yさん)

まず、大人が水ぼうそうにかかると、発疹(ほっしん、赤いブツブツ)の程度が強く、熱や全身倦怠感、掻痒感などの症状が強く現れやすいです。通常、1週間以内に軽快していきましすが、やはりその間はつらいと思います。お仕事のこともあり、1週間ほど、まるまる休むのも、なかなかできない方が多いようです。

さらに、発疹は急性期は水ぶくれですが、治ると黒いカサブタになるわけですが、それが自然に落ちるまで1〜2週間ほどかかります。その間は、顔などの露出した皮膚にこのカサブタが付いたままでいるわけで、これもお仕事などに差し支えるかもしれません。

一方で、水ぼうそうに伴う特別な合併症などがでやすいというわけではありません。(例えば、大人の男性のおたふくかぜは、睾丸炎、副睾丸炎などをおこしやすいことは有名ですね。)

このような症状を軽くすませることが、ゾビラックス(一般名「アシクロビル」)の内服で可能です。この薬が使えるようになってから、重い水ぼうそうで困っている方を、あまり見かけなくなりました。

ただし、この薬が十分な効果を発揮するためには、早く診断して、軽いうちに早めに使い始める必要があります。小児科医は普段の診療の中で水ぼうそうを良く見ていますので、早い段階で確実に診断する自信があります。また、この薬も使い慣れているので、タイミングを逃さずに使い始めることができます。

一般論として申し上げますが、内科の先生方は、大人の水ぼうそうが少ないため、小児科医のような対応ができないことが多いのではないかと心配しています。小児科では、待合室も「隔離室」を設けて一般の子どもたちに感染しないよう配慮していますが、内科では、必ずしもそうではないようです。

そういった諸々のことを勘案すると、大人の方も水ぼうそうにかかってしまったら、小児科を受診されるといいと思います。小児科が恥ずかしいなどとおっしゃらずに、たまには若返りのつもりでいらして下さい。

なお、小児科といっても厳密な年齢制限があるわけではありません。だいたいは中学校卒業まで、年齢では15、16歳ぐらいまでを診療の対象にしていますが、例外もよくあります。大人の方でも、通常は子どもがかかるような感染症では、小児科医のほうが「得意」な場合もよくあります。(逆に、小児ではあっても、胃潰瘍などの大人に多い病気のときは、内科の専門の先生にお願いすることもあります。)

キーワード:大人の水ぼうそう

2000.10.27

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塚田こども医院Q&A2000年10月