妊婦のインフルエンザ予防接種

インフルエンザの予防接種のことですが,子供は12月に予約済みなのですが、私が妊娠7ヶ月で、11月号のこども通信に妊婦も接種したほうがよいとかいてあったのですが、どうしたらよいでしょうか? (上越・Uさん)

インフルエンザ予防接種は年内に受けて欲しいとお話ししていますので、そろそろですね。今妊娠7か月ということは、来年2月頃出産予定ですね。そうでしたら、「もっともワクチン接種を受ける必要のある人」ということになります。

インフルエンザは健康な大人の人でも数日〜1週間、寝込んでしまうような強い症状がありますね。出産を間近に控えている妊婦さんが、もしインフルエンザにかかってしまったら母胎にとって決して好ましい状況ではないですよね。分娩そのものも、正常に行えないかもしれません。また、胎児や新生児が大量のインフルエンザ・ウイルスをもらってしまうことは、非常に危険です。

これからの意味合いで、アメリカやイギリスの「危機管理計画」では、インフルエンザの流行が予想される期間に出産を控えている妊婦は、予防接種の対象者として、医療従事者についで高位にランキングされています。

一方で、これまで日本では、「妊娠しているものは予防接種は禁忌」という考えが続いてきました。
これは、「予防接種は、出来る限り健康状態の良い時に行うもの」という考えがベースにあります。しかし、近年、少しずつ変化してきています。つまり、予防接種は、その病気にかかったときにより高いリスクのある者こそ受ける必要がある、という考えに変わってきています。もちろん、その予防接種による副作用のリスクが著しく高くなってはいけないのですが、妊婦さんへのインフルエンザ予防接種では、そのような心配のないことは、これまでの欧米での経験から分かっています。

ということで、現在の日本では、まだきちんと整理されていないため、医師や医療機関によって、対応がまちまちです。その点も考慮され、予防接種を受けられるかどうか、お決めになるといいと思います。

ちなみに、当院では妊婦さんへも接種を行っていますし、現在、ワクチンの余裕がまだあり、予約を受け付けています。

キーワード:妊婦とインフルエンザ予防接種

2000.11.26

目次のページへ

ホームページのトップへ

塚田こども医院Q&A2000年11月