水ぼうそうワクチンと帯状疱疹

水疱瘡のワクチンを打つと帯状ほう疹にはかかりませんか? 息子は去年の夏にワクチンを打って、暮れに水疱瘡にかかりましたが物凄く軽く済みました。こういう場合は将来、帯状ほう疹にはなることがありますよね? (愛知県・Aさん)

水ぼうそうワクチンは、他のワクチン(はしか、風疹、おたふくかぜなど)に比べると、有効率が低いです。6〜7割は、一生水ぼうそうにかからないですむ程度の免疫ができますが、残りは水ぼうそうにかかってしまいます。ただ、この時でも、病気を軽くすませるだけの免疫はできていると言われています。

帯状疱疹は、水ぼうそうウイルスが神経節に残っていて、のちに活性化され、その神経にそって皮膚表面に水疱をつくる病気です。水ぼうそうにかかった後、表面的には治っていても、神経節の中に残ってしまうのは、しかたないことです。

水ぼうそうワクチンは、もとのウイルスの「毒性」を弱くしているので、神経節に入り込み、のちに帯状疱疹をおこすことは、考えにくいとされています。

また、ワクチン接種者が水ぼうそうになったとき、お子さんのように軽くすんでいるということは、その時に増殖したウイルスの量が少なかったためで、可能性としては、神経節に入り込む頻度・程度は少ないのではないかと想像できます。

結論的には、水ぼうそうワクチンを受けておくことで、将来の帯状疱疹を相当程度予防してくれるのではないかと「理論的に」考えられます。今後、実際の頻度が次第にはっきりしてくるものと思います。(帯状疱疹は老人になってから出ることが多いので、結論がでるには100年近い年月が必要ですね。)

キーワード:水痘ワクチン、帯状疱疹

2001.3.11

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塚田こども医院Q&A2001年3月