風邪のときの入浴

診察に行った時にも言われたし、育児書などにも書いてあって、いつも疑問に思っているのですが、「風邪をひいていても熱さえなければお風呂には入れてもOKです」とありますが、これは「入れたほうがいい」なのか「入れてもかまわない」なのか「入れないことはよくない」なのか?です。大人の私たちでも風邪気味だと思ったらお風呂に入るのをやめたりするのに、どうして赤ん坊は違うのでしょう? お風呂に入るのは大人にとっても気持ちいい事ではありますが、疲れる事でもあるような気がして・・・(上越市・Wさん)

お風呂のことについて、少しお話をします。入浴は、大きく3つの意味があるかと思います。1つは「体を清潔にする」、2つ目は「暖める」、3つ目は「楽しむ」ということでしょう。

体を清潔にすることは、とても大切ですね。風邪をひいているときでも、ぜひ心がけて下さい。
特にお尻や、首や脇の下などをきれいに洗ってあげてほしいと思います。(拭くだけではなかなかきれいにならないので、できるだけたっぷりのお湯を使って、洗ってあげるといいです。とりわけお尻は、ウンチやオシッコのたびに「洗って」ください。)

季節的には、夏場はとびひ(膿痂疹)やあせもになりやすいので、積極的に入浴をお薦めしています。冬場はそれほど汗をかいたり皮膚が汚れたりしませんので、無理をする必要はありませんね。

2つ目の「暖める」ですが、これは日本人の伝統的な入浴方法でしょう。以前の住宅では、すきま風が多く、暖房も不十分で、浴槽の中だけが熱く、しっかり暖まってからでないと眠りにくい、といった事情がありました。でも、今の住宅ではそんなことはありませんね。シャワーしか使わない人も増えてきているわけで、「熱い湯に、長くつかる」という日本人の習慣はそろそろ見直しが必要でしょう(脳血管障害の発症予防のためにも)。

もちろん、体を濡らすだけで、体が冷えてしまってはいけませんので、注意して下さい。冬場ですと、暖かい部屋で早めに衣服を着せてあげればいいですね。

3つ目の「楽しむ」は、大人の「温泉的な入浴」がそうです。ゆったりと長めに入って、疲れをとろうということですが、これは小さな赤ちゃんには、あまり関係ありませんね。裸んぼうにすると喜びますし、お風呂にはいると気持ちよくなります。ですが、疲れるほどには長湯しないでくださいね。

ということで、かぜ気味のときでも、本人の具合が良ければ、さっとお風呂に入ってまかまわないということになります。ことの時の注意は、主に肌を清潔にするための入浴ですから、手短に、疲れない程度に、湯冷めしないようにすることですね。

真冬などで、夜冷え込んでからの入浴は大変だと言うときは、お昼間、暖かいときに入ってもいいと思います。

もちろん、寒気があったり、見るからに具合悪そうにしている子を入浴させるわけにはいきませんので、お子さんの様子を見ながら判断して下さい。

キーワード:風邪と入浴

2001.3.14

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塚田こども医院Q&A2001年3月