溶連菌感染症の治療と合併症 |
4月はじめに上越市からこちらに引っ越しました。これからも先生のHPを楽しみにしています。来てそうそう小学校一年生の娘が溶連菌にかかりました。小児科でお薬を11日分もらいましたが、尿検査はしないようです。溶連菌にかかった時は必ず尿検査をするものと思っていましたので、しないのは不安です。しなくても大丈夫なのでしょうか? また、この病気にかかった時は、急性腎炎やリウマチ熱の合併症がこわいと本でみましたが、いつごろどのような症状に気をつけたらいいのでしょうか? (千葉県・Kさん) 溶連菌感染症の治療・経過観察等の方針は、少しずつ医療機関・医師によって違います。またその時の症状の程度、使用する薬によっても変わってきますので、一律にこうだというものはありません。 私は10日間の抗生物質の内服が終わったあと来院していただき、症状の確認、薬の服用の様子(ときどききちんと飲んでもらっていないときがあります)、そして尿検査を行っています。 溶連菌感染症の合併症として、リウマチ熱、急性腎炎が心配とお話ししていますが、これらは抗生物質のきちんとした使用により、ほぼ100%防ぐことができます。 リウマチ熱は、子どもの心臓をおかす病気。溶連菌感染症のあと1〜5週間後におき、心炎の症状(簡単に言うと「ぐったり」、強いと心不全症状になり瀕死の状態)、関節痛などがおきてきます。 急性腎炎は1〜3週後(平均10日後程度)におきてくることのある腎臓の病気。急にオシッコがでなくなる(乏尿、無尿)ためにむくみ(浮腫)がおきてきます。オシッコは血尿にもなります。 尿検査は腎臓が大丈夫かどうかを調べているわけですが、実施する時期については、私が行っているよりももう少し遅いほうがいいという方もおられます。しかし、その後に何度か来院していただくのも大変ですし、きちんと抗生物質を服用していれば腎炎の発症はないと考えていていいですので、尿検査は省略してもかまわないと思います。もちろん「お薬をきちんと全部服用する」ということが前提です。 キーワード:溶連菌感染症、尿検査、リウマチ熱、急性腎炎 2001.5.2 |
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