日本脳炎の予防接種を規定通りに受けられないとき

日本脳炎の予防接種間隔についておたずねします。このメールを書く前に、Q&Aコーナーを読ませていただき、やむを得ない場合多少の間隔のずれは大丈夫とのこと了承した上での質問です。現在5才の男の子です。昨年7月5日に第1期1回を受けた後、2回目を受け損ねてしまいました。そして今年13年6月9日に内科医で2回目を接種しました。そちらの先生は去年受けた分は無効とし、今年から受け直し、つまり普通の子より1回多く来年度追加としてやりなさいとの事でした(自費にて)。2冊くらい予防接種に関する本を見ながらの回答でしたので、本当に余分にやらなければならないのかと思い、インターネットにてこちらのサイトを見つけ、お便りしました。先生のご回答では、息子のような場合、あと1回受ければいいとの見解をされていますが、どう対処したらいいものかわかりません。(患者の立場で接種してくれた先生にその旨伝えるのもおこがましい気がします)このような場合、どうしたらいいか教えてください。(静岡県・Mさん)

日本脳炎の予防接種については、なかなか予定通りに受けられないことも多く、お問い合わせをよく受けます。

基本は1年目に2回、2年目に1回の合計3回で「基礎免疫」が作られます。
(予防接種法にもそう規定されています。)
「不活化ワクチン」の場合には、生ワクチンと違って、1回の接種では十分な免疫ができないため、何回か続けて接種することになりますが、免疫の出来方はワクチンの種類によっても違いますし、個人によっても違ってきます。
日本脳炎は、1回では「病気を予防する抗体レベル」には達しませんが、全く免疫ができていないわけではありません。
1年程度間隔があいても、2回目の接種によって十分なレベルの免疫になることが期待されています。
そのため、1年目に1回のみ接種のお子さんは、翌年にはやり直しではなく、続けて接種していただいています。
(3回目をその年に受けてもいいですし、さらに3年目にしてもかまいません。)
2年以上空いてしまった場合には、すでに免疫はゼロになっていると考えて、最初からやり直しをしていただいています。
(このときは、最後の接種は法律ではカバーできませんので、「任意接種」になります。)

私の意見は、次の文献などを参考にしています。
『予防接種の手引き』(木村ら編著、近代出版)
「間隔があいた場合の対処としては、行政的には割り切って単純化することも必要である。その場合は、間隔があいても、3回の接種で基礎免疫は完了ということでも良いと考えられる。はじめの年に1回、次の年も1回でその次と年にきた場合、1回接種するだけでもかなり効果がある。」

キーワード:日本脳炎の予防接種

2001.6.10

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塚田こども医院Q&A2001年6月