繰り返す中耳炎の治療

娘(2歳1ヶ月)の事ですが、生後11ヶ月の時に急性中耳炎になって以来、滲出性中耳炎に移行しずっと治療してきました。通院していた耳鼻科は切開が多く、ひどい時は毎週切開をしていました。薬も抗生剤を長期に渡り服用してきました。切開することも、抗生剤の長期服用もそのつど先生に聞いていたのですが、返ってくる答えは大丈夫とのこと。ですが、風邪をひいたり別の病気のときには小児科にかかるのですが、耳鼻科、小児科の先生の薬に対しての意見が合わず、困っていました。ところが最近になって、耳鼻科で出される薬を飲んでもあまり効いていないのが分かり、総合病院で検査してもらったところ、かなりの抗生剤に対し、耐性が出来ている事、これぐらいの症状ではそんなに切開は必要ないのではないかということを言われ、今まであんなに痛い思いをさせた事、疑問を抱きながら薬を飲ませた事。自己嫌悪に陥っています。今後どのように治療をしていけばよいのかね良いアドバイスをお願いします。(広島県・Tさん)

中耳炎を繰り返しているようですね。
小児医として中耳炎のお子さんもときどき診療していますが、繰り返したり、通常の治療に反応しない「難治性」の場合、あるいは「慢性」のものなどは、専門である小児科医に紹介しています。
その点では、私から診療についてアドバイスできることは、あまりないように思います。

急性(細菌性)中耳炎は、抗生物質の使用で良くならないときには、やはり鼓膜切開が必要なことがよくあります。
そして、切開して排膿すると、さっと良くなることもよく経験します。
中耳炎を繰り返していると言うことですが、基本はその時々に十分な治療を行うことですので、これまでしていただいたことは問題がないと思います。

問題になるとしたら、繰り返させないような対策をとれなかったか、ということでしょうか。
私のHPの「中耳炎」にも書いておいたのですが(「ヘルスレター」の中にあります)、ミルクを起こして飲ませる(赤ちゃんの場合)、強い鼻かみをしない、鼻をすすらない・・まあ常識的ですし、もう実行されてきていると思いますが・・
また、小児では「耳管」の働きが弱いため、中耳が十分換気されず、それが中耳炎を起こしやすい要因になっている可能性があります。
そのため、よく耳鼻科では「耳管通気」をしていますね(年齢が大きくならないとうまくできないでしょうが)。
また、それでは不十分な場合は、鼓膜にチューブを入れ、それを使って中耳の換気を行うこともあります。

そういった「予防策」を講じる必要があるのではないか、とも感じました。
しかしこれは耳鼻科の先生がされることですので、よく相談されるといいと思います。
(こういったお子さんは決して少なくありませんので、もっと良い方法を耳鼻科の先生はお考えになっているかもしれません・・)

今回、総合病院の先生にご相談されているとのことですので、こういったこともお聞きになってみてはいかがでしょうか。

キーワード:中耳炎、鼓膜切開

2001.6.17

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塚田こども医院Q&A2001年6月