水いぼの対処

保育士をしている者です。水いぼについて、お尋ね致します。園では医療機関に行く事をお薦めしますが、病院によって対応の仕方が様々です。また、講演をお聞きしていても、いろいろなお考えの先生がいらっしゃり、プールの時期になると、いつも悩んでしまうところです。プールもokという事になると、感染の面からいってどうなんでしょうか。先生のお考えをお聞かせ下さい。(新潟県・Tさん)

水いぼについては、じつは私たちも対応に苦慮しているところがあります。

水いぼはウイルスの病気で、自分の体の中で次第に増えていくこともありますし、他の人に移してしまうこともあります。
しかし、その伝染性はとても弱く、また、たとえ水いぼがあったとしても日常生活に差し支えるような症状はありませんので、「隔離」などはもちろん必要ありません。
また、このウイルスに対する免疫が次第にできてくるために、いずれ自然に治癒します(その期間はまちまちですが、小学校の半ばには水いぼを持っている子はまずいなくなります)。

他の人へ感染させるのは、裸どうしで接触するときですが、普通の保育園の生活で肌と肌が長時間触れ合っていることはありませんね。
プールに入るときは裸に近い格好になるので、うつりやすいというイメージを持たれるかもしれません。
実際、水いぼがあるとプールを禁止されるというお話をきいたことがあります。
しかし、プールで水遊びをしているときも、ずっと肌を接触しているわけではありませんので、それだけで感染のおそれがあるのではありません。
つまり、プールを禁止する必要はありません。
ただし、ビート板や浮き輪を一緒に使うと、そこからはうつるおそれが無いわけではないので、それらは使わないか、個人用にしておいてください。

医療機関での対応ですが、はっきりいってまちまちです。
長い目で見ればいずれ自然に治っていくものですし、それほど大きな感染性をもってはいないので、何も処置しないということもあります。
それに対し、増えていくこともあり、少しでも見つけたら早めに処置をすることもあります。
私自身は、その中間でしょうか。
水いぼが大きくて、赤みをもっているものは、中のウイルス量が多いので、増えたり感染させたりしやすく、数が少ないうちにとっておいた方がいいと思っています。
小さいもので数がそれほど多くないときは、あまりとらないで経過をみていることもあります。
また、季節による違いもありますが、夏場はとることが多く、冬場はそのままにしていることも多いようです。
このほか、親御さんのリクエストがあれば少しでもとることがあります(その背後には、園の先生方のご意見もあるわけですが)。

ということで、水いぼの対処が統一的ではない印象をもたれるのは、このような理由があります。
ご理解いただければ幸いです。

最後に、繰り返しですが、水いぼがあるというだけでプールを禁止するということはありませんので、園でのご配慮もお願いします。

キーワード:水いぼ

2001.7.14

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塚田こども医院Q&A2001年7月