薬服用時の予防接種

はじめまして。調剤薬局で投薬しているときに患者さんから「3種混合の予防接種の2回目がおわったところでかぜをひいてしまい、風邪薬を飲んでいます。薬を飲み終わってすぐ、予防接種をうけてもいいのでしょうか?」と質問がありました。私の子供がお世話になっているDrのお話では、「薬をやめてから一週間してから予防接種をうけたほうがいい」といわれたことがあったのですが、医学的根拠があれば教えていただけますか?よろしくおねがいします。(神奈川県・Sさん)

予防接種は体調の良いときに受けてもらっています。
もし風邪薬等を飲んでいる場合、「体調が悪い」ようでしたら接種を見合わせた方がいいでしょうし、それでも「体調が悪いわけではない」ようでしたら、接種してもかまわないです。
(もっとも、薬を飲まなくてはいけないほどだから、体調が良いとはいえないのかしれませんが・・)

風邪などの軽微な症状の場合、普通生活がおくれるようでしたら、予防接種はかまわないと考えています。
例えば、多少咳や鼻水が出ていても、食欲や元気があり、普通に保育園に行けたり、入浴できるようなときがそうです。

薬との服用では、それによって、ワクチン接種を無効にするか、副作用をおこすおそれがある時は、接種を見合わせることになるでしょう。
実際例では、副腎皮質ホルモン、免疫抑制剤、抗ガン剤などの服用がそうです。
これからを使用しているときは、元の病気そのものでも予防接種が適するか問題になりますので、主治医がきちんと判断しておこなっているはずです。
(ステロイドや免疫抑制剤の外用では、とくに問題になりません)

免疫グロブリンの注射後は一定の期間、注射による生ワクチンの投与(はしか、風疹、おたふくかぜ、水ぼうそうなど)が効果を持たない可能性があります。
(体の中に残っている受動免疫により、ワクチンが中和されるため。)
(通常量では約3か月、大量投与では約6か月あけてから接種を行っています。)

以上の例が「効果が減弱する」例です。
「副作用がおきやすい」とおう例は、私の知る限りはないように思います。

ということで、風邪薬を服用しているからその間、およびその後の一定期間に予防接種を禁じているということはありません。
「体調がよい」かどうかの目安にお話をしているのではないでしょうか。

キーワード:予防接種と薬

2001.7.18

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塚田こども医院Q&A2001年7月