りんご病と胎児への影響

アメリカ在住の妊婦です。1ヶ月ほど日本へ一時帰国していたのですが、りんご病が流行しているのを知りませんでした。(中略)もし、感染した場合、胎児に障害がでると本などには書いてありましたが、感染したかどうかは検査ですぐにわかるのでしょうか?(アメリカ・Tさん)

りんご病(伝染性紅斑)については、すでに知識をお持ちのようですね。
もしも妊婦さんがかかると、胎児に障害のでる可能性があります。
今回のことについては、もうすばらく経過をみていくというのが、正直なところです。

りんご病は発疹が出現する前1週間ほどのころに伝染力があります。
潜伏期は2週間前後と記憶していますので、今週から来週にかけて、症状が出なければりんご病にかからなかったと考えていいと思います。

大人の症状は、強い関節痛が主で、発疹は出ないことがあります。
りんご病の症状がでたときには、やはり胎児のことが心配になりますので、産科医の診察を受けて下さい。
手元の資料には、「週1回の超音波検査を10週続ける必要がある」と記載されています。

症状が出る前にりんご病にかかっているかどうかの検査は、日常診療の中ではおこなっていません。
りんご病をおこすウイルス(ヒトパルボウイルスB19)に対する免疫があるかどうかは調べることができます。
その結果の解釈はときに難しいこともありますが、以前から十分な免疫があると考えられる結果であれば、今回も含めてりんご病にかかることはありません。
この検査は、日常的に行っているものですので、ご希望であれば、ご相談されて下さい。

胎児に対する障害については、どの週数でもある程度のリスクはあると思います(程度の強い・弱いは別にして)。
その意味でも、今後とも注意される必要はあると思います。

なお、日本人の成人の60〜70%はすでに免疫をもっています。
そのような大人は、りんご病にかかる心配はありません。

2001.8.23

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塚田こども医院Q&A2001年8月