学童の便秘

10歳になった娘の便秘についてお尋ね致します。娘は赤ちゃんのころからなかなかウンチがでなくて生まれて病院から退院してきてもウンチを目にしたのはたしか3日目した。(中略)そろそろトイレでウンチという歳になってもオマルにすわり足を地面につけてふんばらなければなかなか出ないのでトイレをいやがりました。そのうち固いウンチをおしりからだすのがいやなのかウンチをしたくなっても言わなくなり、「ウンチしたいんじゃないの?」と聞いても「ちがうちがう」といっていきみをのがす妊婦のようにスーハースーハーして大汗ながしてトイレを拒否していました。そのころが4〜5歳です(中略)だんだん大きくなるにつれて浣腸はいやだと言い出し「がんばって自分で出す」というので様子をみました。いま4年生ですが苦労しているようですがなんとか出しています。(さすがにこの歳になると出たウンチは見せてくれないのでどんなウンチかわからない)しかし1週間や10日出ないのはざらなようです。便秘でウンチがでないのにパンツがウンチで汚れます。ほとんど毎日汚れます。なので生理用のナプキンを常時あてています。あまり汚れると臭うので4年生というお年頃にはかわいそうです。こまめに換えるようには言うのですが。(中略)しかしここにきてなんだか心配になりました。というかこのままでは本人が可愛そうかなと・・また身体の中に何か困ったことがおきているのかも・・などなど考えてしまいました。専門のお医者さまに一度みていただいたほうがよいのでしょうか。(後略)(千葉県・Hさん)

お子さんのとてもガンコな便秘について、ご心配ですね。
正直に言って、なかなかすっきりとした対処がうまくできないかもしれません・・

HPの中にも書いていますが、ウンチをすることは本来は「快感」ですよね。
気持ちよい行為のはずです。
ウンチをすると「楽になった」と思いますし、ほっとした気持ちになるはずです。
ですが、便秘のひどい子は、ウンチをすることが「不快」になっていますね。
固くて大きなウンチをすることが、肛門の痛みや腹痛を伴います。
出てもすっきりせず、ますますウンチをガマンする傾向になっていきます。
いわば「悪循環」。
また、直腸のウンチが降りてくると、普通は「便意」を催してトイレに行きたくなるわけですが、便秘の子は直腸がいわば麻痺していて、ウンチがたまっても便意を催しません。
これもまた問題です。

頑固な便秘をよくするのは、この「悪循環」を「好循環」に変えていくことだと思います。
ウンチがたまる→便意を催す→トイレに行く→ウンチが出る→気持ちいい(楽になる)→・・
そのためには、いくつかのことを同時にやりながら、取り組んでいく必要があるでしょう。

・固いウンチ:食事内容の検討(是正)、ウンチを柔らかくする薬の使用
・排便のリズム:朝ウンチがでるように(朝早めにおき、運動し、朝食をしっかりとる。登校前にウンチをする時間をつくる)
・便意の回復:いつもウンチでいっぱいの直腸は問題。直腸はいつも空にしておく(そのためには毎朝、浣腸したりして排便させる)

基本的には以上のことをしつこく、繰り返し行うことだと思います。

年齢のことを考えると、これからしばらくの間、親子で頑張ってみてほしいと思います。

2001.10.23

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塚田こども医院Q&A2001年10月