おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)予防接種の免疫の付き方

息子のクラスで20人中次々と6人もおたふく風邪に感染しています。これを聞いて、今まで、おたふく風邪にかかったと言っていた主人まで、心配になり、実家に問い合わせてみると、覚えていないといわれてしまいました。主人が、MMRを接種した場合も、女性と同じように避妊は必要なのですか? 子供達のほとんどが予防接種を受けているのに感染しています。こんなにも、感染力の強いものなのでしょうか?(香港・Hさん)

風疹ワクチンには理論上、胎児に対する催奇形性が完全には否定されていません。
しかし男性の体内には胎児はいませんので、もちろん避妊は必要ありません。

おたふくかぜワクチンは、抗体の付き方が良いようです。
予防接種を受けるとおたふくにはならないという言い方をしています。
しかし、中には十分な免疫ができてこないことがあります。
これには2種類あります。
(1)最初から感染を予防するほどの十分な免疫ができていない場合(primaly vaccine failure):数%に見られるようです。
(2)接種後は十分な免疫ができているが、時間がたつにつれて低下し、二次的に感染を予防できない場合(secondary vaccine failure)

今回のケースがワクチン接種者からも罹患者が続出しているとすると、いろんなことが考えられます。
例えば・・
・使用したワクチンの出来が悪かった−−(1)
・ワクチンの温度管理などが不適切であった−−(1)
・最近おたふくの流行がなかったために、途中で免疫の増強(booster効果)がなかった−−(2)

先進国では、2回の接種を行うことで、このような vaccine failure を来さないような対策をとりつつあります。
(日本は全く不十分ですが)

もしそちらでワクチンの効果などで問題とされているようでしたら、ご紹介下さい。

2001.11.7

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塚田こども医院Q&A2001年11月