子どもの咳と喘息

今回は、息子(4歳)の咳が気になり、メールさせていただきます。息子は、風邪をひくと咳がひどくなり、すぐ病院に連れて行かないと、夜も眠れないほど、咳き込みます。風邪かな?と思って様子を見ていると、たちまち咳の症状がでてくるので、最近は、すぐに病院に連れて行くので、大事になりませんでした。ただ、今回は、咳がとても長引き、飲み薬では治らないので、Ventolinと言う吸入薬を、使うようになりました。1週間くらい使用し、良くなったと思っていたのですが、また1週間後に咳の症状が出て、今度は、これにあわせて、pulmicort(ステロイド)を使用しています。(←この組み合わせの方が、よく効くとのことでした。)本当に良く効きました。(中略)息子は、なんでこんなに、咳に悩まされるんでしょうか? 予防方法はあるのでしょうか? 息子は、喘息体質?なのでしょうか?(海外・Hさん)

外国での受診は、言葉の上でも大変ですね。
病気に対する考えも微妙に違うでしょうから、ときには行き違いがあるかもしれません。

咳といってもいろいろあります。
お子さんの場合、いつも長引いたり、気管支拡張薬やステロイドを使って良くなるようですので、気管支粘膜の炎症がおきやすいんでしょう。
喘息の発作というのは、気管支が収縮して気道(空気の通り道)を狭めている状態をいいます。
最初は息を吐くときにゼーゼーがおき(呼気性喘鳴)、悪化すると努力性呼吸、呼吸困難なども生じてきます。
こういった発作をおこしやすいベースには、気管支粘膜の炎症があります。
子どもでは、アレルギーの問題もこの炎症を悪化させる要因です。
また、感冒などの感染症も同じく炎症をひどくさせてしまいます。

お子さんの場合、喘鳴があれば喘息と診断していいでしょう。
(英語ではwheezingと言います。strider、pipingなども、少しニュアンスは違うのですが、同じ様な言葉です)
それがなくても、気管支粘膜の炎症を起こしやすいので、喘息と同じように治療を受けていくのがいいと思います。

小児の気管支喘息は、通常は2歳ころから始まり、5歳前後がピーク、6歳以降はまた改善していきます。
お子さんの年齢からすると、もう少しすれば、風邪を引いたときに咳がひどくなったり、長引いたりすることはだんだんとなくなっていくのではないでしょうか。

以上のことは原則的なお話です。
診察もしていないわけですので、参考程度にお考え下さい。
またHPの中にいろいろと書いてありますので、それも参考にして下さい。
(「ヘルスレター」のコーナーを見て下さい)

2001.12.13

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塚田こども医院Q&A2001年12月