子どもの糖尿病

現在、6ケ月の女の子がいまして予防接種、定期検診など順調に進んでおります。しかし、今気になってどうする?っていわれそうですが、実は私の妻は糖尿で出産しました。(妊娠してから検査で糖尿と判明しました)よって子供もその要因を持ちつづけていかなくてはいけないのです。それで質問は、幼児でも糖尿になると聞きどんな検査をいつごろ受ければよいのかと?(奈良県・Mさん)

奥さんが糖尿病ということで、お子さんのことも含めてご心配ですね。
まず「糖尿病」について、簡単にお話しします。

体の中にはインシュリンというホルモンが膵臓から出ていて、これが主に血液中のブドウ糖をエネルギーとして利用しています。
相対的、あるいは絶対的にインシュリンが不足してくると、血中の糖分が利用されないために上昇し、それが尿中にこぼれて出てきます(尿糖)。
これが「糖尿病」の名前の由来になっています。

糖尿病には2種類あります。
1型は「インシュリン依存性糖尿病」と呼ばれ、膵臓からのインシュリンの分泌が「絶対的に」少ない状態です。
このため、ブドウ糖がうまく利用されないためにエネルギー不足になり、体重は増えず、やせてくるのが普通です。
治療としては、不足しているインシュリンを補充する治療が必ず必要です。

それに対して2型は「インシュリン非依存性糖尿病」と呼ばれ、通常は過食(栄養過多)や肥満のためにインシュリンの必要量が増大しているにも関わらず、膵臓からのインシュリン分泌がそれに応じきれないという「相対的な」不足状態にあります。
先に肥満ありですので、食事制限や運動療法が必要ですし、治療としてのインシュリン療法は必ずしも必要ではありません。

そこでご質問の内容に戻りますが、急激に発症しているなどから、1型糖尿病なのでしょうか。
1型は遺伝もありうるので(多いというわけではありません)、お子さんの健康状態には一応注意していて下さい。
ブドウ糖の利用不足なら、極端なやせ、倦怠感などが現れることがあります。
尿糖のために多尿、多飲もおきてきます。
急激に発症すると、著しい高血糖のために意識障害が現れることがあります。
いつもと違うぞという気になる症状があるときには、糖尿病の可能性があることも考えながら対処することが必要になります。

なお、2型糖尿病も家族内で「多発」することがありますが、それは同じような生活や食事スタイルをしているためのようです。
基本的な生活や食事の節制に気をつけて下さい。

なお、当面注意していかなければならないのは、奥さんの健康状態です。
糖尿病の種類も含めて、主治医の先生とよくご相談になって下さい。

2001.12.19

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塚田こども医院Q&A2001年12月