インフルエンザと食中毒の発生条件の違い

インフルエンザのことですが、寒くて、乾燥してる時にはやりますが、それは、ウイルスが、乾燥してて、寒い時に、活性化する特性があるのでしょうか? 食中毒の菌などが、梅雨時に活性化しますので、その点について教えてください。(群馬県・Nさん)

インフルエンザ・ウイルスは、空気中の湿度が高いと早く不活化してしまいます。
このウイルスはインフルエンザにかかっている人の粘膜に大量にいますので、くしゃみをしたり、話したりしていると、その飛沫といっしょにウイルスが空気中に飛び出してきます。
一定の時間は空気中を漂っていますが、乾燥しているとその時間が長く、逆に湿度が高いと時間が短くなります。
また、乾燥した気候では、喉や鼻といったウイルスが最初に侵入する粘膜が傷みやすく、インフルエンザにかかりやすくなっています。
また、一度ウイルスが侵入したあと、やはり粘膜面が乾燥していると、より増殖しやすい環境になっているともいえます。
このように、空気が乾燥していると、インフルエンザが流行しやすくなります。
(インフルエンザ・ウイルスが、乾燥した空気中で増殖しているわけではありませ。)

それに対して、食中毒をおこす菌の多くは、食品の中で増殖しています。
その条件は、栄養があり、ほどほどの暖かさで、湿度がある方が増殖に向いています。
(一部に例外はありますが、もっとも多いブドウ球菌などではこうです)
そのため、夏場に食中毒が多いわけです。
食品が早く傷みやすいことを考えると理解いただけると思います。

2002.1.13

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塚田こども医院Q&A2002年 1月