子供の風疹の予防接種を行わなければならないのですが、妻が妊娠（２ヶ月）していることがわかりました。風疹の予防接種により、もし妻に感染すると胎児に影響するのではないかと思い予防接種を出産後（８月以降）にしょうかと考えています。しかし子供に予防接種を受けさせることも重要だと考え、迷っています。妻は風疹には一度かかっています。子供の予防接種から妻が風疹にかかる危険性の度合いがよくわかりません。子供の予防接種を８月以降にしたほうが良いのか、それとも予防接種を先に行ったほうが良いのかアドバイスをお願いします。（大阪府・Ｋさん）

おたずねの件ですが、いろんな意味合いで、お子さんが今風疹の予防接種を受けても何の問題もありません。

まず、お母さんが風疹の予防接種を受けたあれば、十分な免疫をもっていると考えられますので、たとえ周囲に風疹患者がいても感染するおそれはないと思います。
（風疹ワクチンの効果が100％ではないため、例外的に十分な免疫のないときもあります。以前の妊娠の際に、産科で風疹に対する抗体検査を受けていませんか？　免疫があるとはっきり言われていれば、心配はありません。）

風疹ワクチンは、風疹ウイルスの毒性をできるだけ少なくしたワクチン・ウイルスです。
胎児に奇形を起こす可能性がゼロではないために、予防接種を受ける前1か月、受けた後2か月の間は「接種を受ける方」の避妊をお願いしています。
ただし実際には、これまでに風疹ワクチンの催奇形性が問題になった事例は報告されていません。

風疹ワクチンは風疹という病気そのものを引き起こすわけではなく、また周囲に風疹を感染させることはありません。
この意味でも、一緒にいるご家族などへの問題は何もないことになります。

以上のことから、いつでもお子さんが風疹の予防接種を受けていただいてかまいません。

2002.1.16