赤ちゃんの夜泣き

前に夜泣きで質問し、こちらで見た漢方薬で「甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)」を小児科でもらってきました。のんで3週間いままで5.10分平気で起きてたのが、寝る時は3時間寝るようになりました。薬がなくなり、少し様子を見ようと思ってたら、やっぱり1時間くらいしか寝ません。1週間後もう1度小児科に行くと、先生はとても不思議そうに「風邪なんかで体調が悪いわけじゃないよね」といいました。漢方薬を飲んでも朝までぐっすりは寝ない事を告げると、これも驚き「そのうち睡眠中枢も成長するでしょう」といわれました。先生にとってこれを飲んでも寝ないのが不思議で仕方無いみたいです。うちの子の様に漢方薬を飲んでもダメな子っているんでしょうか。先生の態度にとても不安になってしまいました。睡眠中枢が成長しない子っているんでしょうか。(北海道・Tさん)

夜泣きなどのときに甘麦大棗湯を使うことがありますが、その効果は必ずしも一定しません。
とても良く効く赤ちゃんもいれば、あまり効かない赤ちゃんもいます。
薬の現れ方といった個人差もあるでしょうし、「夜泣き」という現象がなぜ起きているかといった違いもあることでしょう。
ですが、基本的にはこの薬を使わなくても、いずれは夜しっかりと睡眠がとれるようにはなっていきますので、あまり悲観的にはならないでほしいと思います。
「睡眠中枢」という言葉がでてきましたが、私自身はこの用語を存じません。
どの赤ちゃんも次第に夜と昼を区別するようになりますし、長い睡眠がとれるようになっていきますが、その時期が多少早い・遅いの違いがあるだけだと思います。

以前にもお話したかもしれませんが、赤ちゃんが夜眠ってくれないときに、いつのまにか「悪循環」に陥ってしまっていることもあります。
つまり「赤ちゃんが眠らない」→「大人がかまう」→「かまってくれることを期待してますます眠らない」・・
とりあえず夜泣きに対してこうするといいよというようなコツがいろいろとありますが、ベースには「夜は寝るもの」とドンと構えて、多少のことには動じない親の強い意志も必要かと思います。
赤ちゃんのことを思う気持ちがとても強いのは良いことですが、でもそれが逆効果になっている場合も、ときには見かけます。
夜になったら部屋を暗くし、泣いたり騒いだりしても、危険さえなければほっとくぐらいのことがあってもいいのかな、などとも思います。
いってみれば、赤ちゃんと親とのガマン比べ。
けっして赤ちゃんに冷たいということではないと思います。

周りでいろいろと言うのは簡単ですね。
泣きたくなるのは親の方だという言葉が聞こえそうですが、でも少し「開き直って」みてもいいのではないかと、老婆心ながら思っています。

2002.1.20

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塚田こども医院Q&A2002年 1月